facebook line twitter mail

平成史 台風⑧ 平成28年台風10号 南下する台風 史上初、東北太平洋側に上陸

2019/02/27 12:44 ウェザーニュース

当初は八丈島付近で発生したとされた平成28年の台風10号。後の詳細な解析で発生地点は四国沖に修正されましたが、しばらくは南に進む異例の進路となりました。

その後、南大東島の南の海上で今度は北東に進路を変更。勢力を強めながら日本に接近。最終的には岩手県大船渡市付近に上陸しています。1951年の統計開始以来、東北の太平洋側に上陸するのは初めてのことでした。

異例の進路の理由は?

この年は夏の太平洋高気圧の勢力が北東に偏り、日本の南の海上に「モンスーントラフ」と呼ばれる低圧部が形成されました。

低圧部周辺に吹く、反時計回りの風に乗って台風が移動したことで、異例の進路を進んだのです。

岩手県では大規模な浸水被害で24人が犠牲に

台風10号の影響で崩落した橋
台風が直撃した東北や北海道を中心に大きな被害に見舞われています。特に、岩手県内では川の氾濫が相次ぎ、大規模な浸水被害が発生。この台風による死者26人のうち、岩手県内が24人を占めました。

過去にない進路で進むということは、過去に発生したことのないような災害の恐れがあるということを認識させる台風でした。

2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。
>>気象現象で振り返る平成史
>>ウェザーニュース記事一覧