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平成史 台風⑦ 平成30年台風21号 高潮で関空水没 近畿のインフラに大ダメージ

2019/02/27 12:46 ウェザーニュース

平成30年台風21号は最盛期に”猛烈な勢力”まで発達、その後もあまり勢力を落とすことなく日本列島に接近してきました。

徳島県南部に上陸した時の中心気圧は950hPa、最大風速が45m/sで、”非常に強い勢力”のまま上陸した台風は平成5年13号以来です。

これだけの勢力の台風が京阪神を中心とした近畿地方を直撃し、大きな被害に繋がりました。特に被害が目立ったのが高潮と暴風です。

高潮と高波で関西国際空港の滑走路が浸水

浸水が残る関西国際空港
大阪や神戸は1961年の第2室戸台風上陸時に記録した、過去の最高潮位を更新する高潮に見舞われました。台風の中心気圧が低かったことによる吸い上げ効果と台風に向かって吹き込む風による吹き寄せ効果が大きくなったためです。

神戸港周辺では海水が市街地まで侵入し、兵庫県全体では45棟が床上、316棟が床下まで浸水しました。それ以上に影響が大きかったのは関西国際空港。高潮と高波によって滑走路な空港施設が浸水し閉鎖。さらに船舶が連絡橋に衝突したことで一時孤立状態となりました。

大阪で観測開始以来3番目となる47.4m/sの暴風を観測

暴風の被害は”危険半円”と呼ばれる台風の進路の右側に入った大阪府や京都府で目立っています。

大阪府の住宅被害は全半壊が500棟弱、一部損壊を含めると60000棟以上に及びました。大阪の最大瞬間風速は観測開始以来3番目となる47.4m/sを観測しています。また、風により電柱や電線などがダメージを受け、関西電力によると最大で220万軒以上が停電しました。

JR西日本は台風の接近に合わせて事前に在来線の運休を発表。台風が近代のインフラに与える影響をまざまざと見せつけた台風と言えます。

2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。
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