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北海道は雪崩/地すべりに警戒 大地震後の融雪で急増した例も

21日夜、北海道で震度6弱の地震

2019/02/22 16:11 ウェザーニュース

2月21日(木)夜に、最大震度6弱の地震が発生した北海道胆振地方。当日は、鉄道など交通機関に大きな影響を及ぼしました。

今後は、寒さが緩み雪が解け始める融雪期と重なっていることもあり、雪が多く残っている斜面は地震の影響で不安定になって、雪崩が発生する危険性が高まっています。

しかし、雪崩だけではなく、「地すべり」にも十分な警戒が必要です。これは、地震に大きく揺さぶられた地盤やがけ崩れによってむき出しとなった斜面に雪解け水がしみこむと、いっそう地盤が緩むためです。

東日本大震災が発生した翌日の2011年3月12日、新潟県と長野県の県境で最大震度6強を観測。その年は、周辺の地すべりの発生回数が急増したというデータが残っています。

融雪期の大地震で「地すべり」が急増した事例

新潟県土木部砂防課によると、2004年10月中越地震、2007年7月中越沖地震、2011年3月長野県北部地震ともに、地震発生直後に地すべり発生件数が増加。
中でも融雪期である2011年3月に発生した長野県北部地震の後は、その前の5年間の平均と比較しても一段と地すべりの発生回数が増えたことがわかっています。

中越地震、中越沖地震と異なる点は、地震発生時に2mを越える積雪があったこと。 また、2010年から2011年にかけて、例年以上に降雪があったことも原因の一つと考えられます。これに加えて、大きな地震によるクラック(ひび割れ)が発生し、雪解け水が地中に浸透し易い状況にあったと推察されます。(新潟県土木部砂防課資料より)

積雪量など細かい条件が異なるため、必ずしも同様の事が発生するとは言い切れませんが、今回の北海道もしばらく地すべりなどの土砂災害に要注意と言えそうです。

地すべりとは

地すべりとは、粘土層など滑りやすい地層を境に、地面がそっくり動くこと。大雨によって地下水が増加すると摩擦が減って地面が動き出します。また、一旦動き出すとこれを完全に停止させることは非常に困難です。 日本では、地質的にぜい弱であることに加えて梅雨あるいは台風などの豪雨により、毎年各地で地すべりが発生しています。

【前兆】
・地鳴り/家なり/山鳴り
・地面にひび割れ
・亀裂や段差の発生/拡大

参考資料など

新潟県土木部砂防課資料、国土交通省HP