幸せを願う「ひな人形」
そもそも、なぜ人形を飾るようになった?
ひなまつりはもともと、平安時代のお人形(ひいな)遊びと、人形に自分の厄を移して海や川へ流した「流しびな」の行事が結びついたものです。
そこから、ひなまつりでは、人形が身代わりになり、子供に災いが降りかからないようにという家族の願いや、人生の幸福が得られるようにという温かい気持ちを込めて人形を飾るようになりました。
ひな人形をかざる時期は?
立春(二月四日)頃から二月中旬にかけて、遅くとも節句の一週間前までには飾ってください。そして、お節句が済んだら早めに、遅くとも三月中旬までの天気のよい、乾燥している日にしまってください。
また、人形を手放す際は、全国各地で行われている人形供養を受け、納めてもらうこともできます。
次女、三女にも、それぞれ雛人形が必要?
ひな人形には、そのお子様の成長と幸福を祈るとともに、お子様の身代わりとなって厄を受けると言う意味があります。
ですから、人形を兼用したり譲り受けたりすることは、本来は望ましくないこと。できれば次女、三女にも、それぞれ小さくても良いので、ひな人形を持たせたいものです。
おひなさまをしまうのが遅れると、お嫁に行くのが遅れる?
実は、根拠はありません。おひなさまを飾る時期・しまう時期は、その季節の範囲内ならいつでも大丈夫です。
ただし、しまう時は天気のよい日にほこりを払ってからしまってください。人形は、湿気・ほこり・汚れを嫌います。
>>この先の天気を確認する
細部にまで込められた意味
男びなと女びな、どっちが右?左?
どちらが右でも左でも、間違いではありません。江戸時代までの日本の礼法では左が上座だったため、京都や、昔の習慣を大事にする地方では、男びなを向かって右に飾ります。このようなひな人形を「京雛」と言います。
しかし現在では、欧米のマナーの影響を受けて右上座が定着し、男びなは向かって左です。このような雛人形を「関東雛」といいます。
ただし、四段目の左大臣・右大臣は左上座で飾ります。老人の左大臣は向かって右となります。
三人官女の真ん中の人形に眉がないのはなぜ?
昔は、結婚をすると眉をそり落とし、歯を黒くオハグロで染めました。つまり、三人官女の真ん中の人形は、結婚している年長の女官長なのです。両側の官女は眉があるので未婚の女性ですが、一人は口を開け、一人は口を閉じています。
このようにおひなさまは、十五人が全部違う顔、違う表情をしています。十五人の表情や顔を作るのは、一人の人形師。表情は違っていても、面相が揃っていることを「揃い」と言います。
ひなまつりのお祝い
ひなまつりにはどんな料理がよい?
ひなまつりのメニューには、はまぐりのお吸物やお寿司がつきものです。はまぐりはカラをぴったり合わせることから、幸せな夫婦を意味します。また、この頃、新鮮な魚介類や春の野菜が出回るので、お寿司が好まれてきました。料理の他には、お子様が好きなお菓子やジュースがあればじゅうぶんでしょう。昔はひなまつりの前夜を「宵節句」と呼び、女性を中心にパーティーをしました。
今でも子供達が集まり、ひなまつりパーティーを開くことがありますが、大げさに考える必要はありません。
ハロウィーンやクリスマスだけでなく、日本古来から伝わる「ひなまつり」もぜひご家族でお楽しみください。
参考資料など
参考・画像
人形の久月HP https://www.kyugetsu.com/special/index.php
人形の久月HP https://www.kyugetsu.com/special/index.php