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平成史 台風① 平成3年19号「りんご台風」 平成一番の風台風

平成に起こった気象や災害をシリーズで振り返る

2019/02/18 07:22 ウェザーニュース

平成に入り最初にして最大級のインパクトを与えた平成3年の台風19号。「りんご台風」という呼び名が良く知られています。

全国各地に暴風被害をもたらし、特に青森県では収穫間近だったりんごが軒並み落下、量にして388,000t、金額に換算すると741億円におよぶ甚大な被害に見舞われました。

平成一番の風台風と言っても過言ではありません。
この台風19号は9月27日に長崎県佐世保市付近に上陸、その時の中心気圧は940hPa、非常に強い勢力でした。日本海に抜けた後はジェット気流に乗る形で猛スピードで北上。わずか半日あまりで日本海を駆け抜け、28日には北海道渡島半島に再上陸しました。

勢力を保ったまま北上したことや、ジェット気流に乗って加速したこと、台風が日本海を進み、日本列島がいわゆる台風の「危険半円」に入ったことで、各地で記録的な暴風に見舞われています。

最大瞬間風速は長崎で54.3m/s、広島で58.9m/s、秋田で51.4m/s、青森で53.9m/sなど50m/sを超えた所が多くなりました。暴風による塩害や、瀬戸内海を中心に高潮の被害も発生しています。

この台風の被害をきっかけに、りんご農家を始めとする果樹園に防風ネットの設置が進み、風による被害は軽減されるようになりました。
◆ 最大瞬間風速(m/s)

釧路  31.1m/s
青森  53.9m/s
秋田  51.4m/s
酒田  45.9m/s
東京  26.9m/s
名古屋 30.4m/s
新潟  45.5m/s
金沢  39.4m/s
輪島  57.3m/s
福井  48.8m/s
大阪  33.1m/s
津山  45.3m/s
広島  58.9m/s
松江  56.5m/s
山口  53.1m/s
福岡  44.6m/s
長崎  54.3m/s
佐賀  52.6m/s
熊本  52.6m/s
阿蘇山 60.9m/s
鹿児島 44.5m/s
那覇  50.1m/s
2019年4月30日で「平成」が終わります。ウェザーニュースでは、平成30年間に起こった気象や災害などを、過去の資料などをもとに連日振り返っていきます。