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冬に見られる「筋状の雲」の正体

2019/02/13 07:04 ウェザーニュース

冬に、宇宙から雲の様子を映す気象衛星の画像を見てみると、筋状の雲が度々姿を現します。
なんとも不思議な雲ですが、なぜこのように筋状になっているのでしょうか。

正体は積雲や積乱雲

衛星写真ではハケではいたような雲にも見えますが、実は筋状の雲の正体は積雲や積乱雲なんです。

暖流の影響で比較的暖かい日本海に、冷たい季節風が吹き付けると、空気の下層だけが暖められます。すると上昇気流が発生し、積雲や積乱雲が作られるという仕組みです。

筋状に見えるのはなぜ?

先ほど、冷たい空気の下層が暖められる→上昇気流発生→積雲・積乱雲ができると説明しましたが、もう少し細かく見ていくと、筋状に見える理由もわかってきます。

空気は上下の温度差が大きくなると、温度差を解消しようと対流を起こします。
この時、暖かく軽い空気が上昇する部分と冷たくて重い空気が下降する部分ができます。

筋状に雲が並ぶのは、空気が上昇して雲ができる部分と空気が下降して雲ができない部分が交互に並んでいたからなんです。

筋状の雲をチェック!

筋状の雲の特徴として、寒気が強ければ強いほど、はっきりと衛星画像に現れます。
どれだけ寒いのかの目安にもなってきますので、ぜひ筋状の雲にも注目してみてください。
>>宇宙から見た雲の様子を見る

参考資料など

【参照・参考元】
木村龍治監修(2005)『よくわかる気象・天気図の読み方・楽しみ方』成美堂出版