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インフルエンザ史上最悪の大流行 2度、3度と感染するワケは?

2019/02/08 06:29 ウェザーニュース

厚生労働省によると、1月27日までの1週間でインフルエンザに感染した推定患者数は228万人にのぼり、大流行した昨年のピークを上回りました。
大流行はまだ続きそうですが、中には2度、3度と感染する人がいます。なぜ複数回感染するのでしょうか?

迅速診断キットで確認

「私のクリニックでは、昨年12月後半から1日4〜10人のインフルエンザ患者さんを診ていますが、1月21日の週からはさらに増えて10人を超える日もありました」と言う、せたがや内科・神経内科クリニック(東京都世田谷区)の久手堅司(くでけん・つかさ)院長が続けます。

「まれですが、インフルエンザに今季2度かかって来院された患者さんもいます。迅速診断キットで検査したので間違いありません。判定は2回ともA型でした」

流行中のA型には2つのタイプ

なぜ1シーズンに2度も感染するのでしょうか。

「インフルエンザウイルスは何種類もあるのです。現在流行中のウイルスはA型ですが、A型でも、AH1pdm09とAH3の2種類あります」(久手堅院長)

AH1pdm09は2009年に新型インフルエンザと呼ばれたもの、AH3は香港型と呼ばれるものです。東京都福祉保健局が1月17日に公表した感染症発生動向調査によると、47人の患者を調べたところ、AH1pdm09が72.3%、AH3が27.7%、B型は0%という結果でした。

「1度インフルエンザに感染すると免疫ができると言われますが、それは同じ型のウイルスについてのことで、型が違えばまたインフルエンザに感染することがあります。遺伝子解析を行っていないので推測になりますが、インフルエンザに2度かかった患者さんは、AH1pdm09とAH3の2種類のウイルスに時間差をおいて感染したものと思われます」(久手堅院長)

2月後半からはB型が流行する?

例年、インフルエンザはA型の流行が先行し、A型が一段落したらB型が流行する傾向が見られます。A型の症状は38℃を超える高熱や関節痛・筋肉痛が特徴、B型はお腹の風邪の症状に近く下痢や腹痛を訴える人が多いという特徴があります。

「A型の流行が落ち着くと思われる2月後半以降はB型が出てくる可能性があります。インフルエンザに1度かかった人は2度目、2度かかった人は3度目もあり得るので油断しないでください」(久手堅院長)

例年、インフルエンザの流行が終息するのは3月下旬ないし4月上旬です。すでにインフルエンザに感染した人も、手洗いやマスクを徹底し、十分な栄養や睡眠で複数回の感染を避けたいものです。