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熟眠の決め手「寝返り」をジャマしない寝具の選び方

2019/02/12 07:46 ウェザーニュース

「いつも眠りが浅い」「起床時に身体が痛い」などの症状は寝返りに原因があるのかもしれません。
上手な寝返りの打ち方を『毎朝、目覚めるのが楽しみになる 大人女子のための睡眠パーフェクトブック』の著者で睡眠コンサルタントの友野なお先生に教えてもらいました。

寝返りは1晩あたり20〜30回

眠りが浅いから寝返りをする、と勘違いしているかもしれませんが、寝返りは、就寝中の身体を健康に保ち、質のいい眠りにつながると友野先生は言います。

「個人差はあるものの、私たちの身体は1晩あたり20〜30回は寝返りをうっています。寝返りには、血液や体液の循環を促し、特定の箇所に重力がかかって骨や筋肉に負担がかかることを防止し、寝床内の温度調節を行う効果などがあるのです」(友野先生)

睡眠中の身体を休めるためには寝返をちゃんと打つこと、つまり「寝返り力」が必須です。「寝返り力」を高めるにはどのような工夫をすればいいのでしょうか。

寝返りをジャマしない寝具の選び方

「寝返り力」を高めるためにはスムーズに寝返りをうてる環境を整える必要があります。友野先生が、上手な寝返りを打てる布団・掛布団・枕・パジャマの選び方を教えてくれました。

【敷き布団】

「やわらかすぎると身体が埋まり、寝返りが打てずに首や腰に負担がかかってしまいます。反対に硬すぎても身体が痛くなり、よく寝られません。敷き布団やマットレスは、適度な弾力と硬さがあるもの、寝返りを打てるだけの十分な広さがあるもの、身体の圧を分散してくれるものが理想的です。

ダニやカビの繁殖を防ぐために1ヵ月に1回は日光干しをして、10年以上使ったものは新しいものに買い換えるといいでしょう」(友野先生)

【掛け布団】

「掛け布団は、軽くて圧迫感がなく、保温機能と湿度調整機能があることが絶対条件です。掛ふとんは重い綿よりも軽い羽毛がおすすめ。肩口や足元に余分な隙間ができると寝返りのたびに冷気が入ってしまうので、隙間ができにくいものを選んでください。

特に冬は寒いからと必要以上に布団を重ねる人がいますが、布団の重さで寝返りができず、背中の熱がこもってしまい、寝苦しくなってしまいます。優れた温度調整機能や吸放湿性をもつ羽毛布団と、必要ならその上に毛布1枚乗せるのが理想的です」(友野先生)

【枕】

「枕が合っていないと、寝返りが妨げられるだけでなく、頭痛や肩こり、いびき、むくみなどの原因になります。自分にあった枕を選ぶポイントは頸椎(けいつい)の自然なS字カーブを保てる高さと形が理想。大きさ、かたさ、重さが適切であるかどうかも確認してみてください」(友野先生)

【パジャマ】

「寝るときに何を着るかによっても、睡眠の質は大きく変わります。たとえば、スウェットやTシャツ、ルームウェアなどパジャマ以外のものを着て寝ると、寝具との間に不必要な摩擦が生じ、寝返りがうちにくくなります。またフードつきのものは、フードが首を圧迫してしまうので避けましょう。

パジャマの素材として理想的なのは、吸水性や吸湿性が高く、肌ざわりのいい100%コットンです。コットンは着心地が良く、安心感のある素材。耐久性もあるので、洗濯などの取扱いもラクです。もちろん首、手首、足首を冷やさないようにするのも大切です」(友野先生)

また、「夜中に何度も起きてしまう人でも、寝具を変えるだけで朝まで気持ちよく眠れることも多いです」と友野先生は言います。特に着込んだり布団を重ねることが多い冬は、毎日使っている寝具が自分に合っているか見直してみてはいかがでしょうか。

参考資料など

『毎朝、目覚めるのが楽しみになる 大人女子のための睡眠パーフェクトブック』(友野なお著、大和書房)