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セルフ式スタンド、なぜ「静電気除去シート」が必要なのか?

2019/02/07 06:12 ウェザーニュース

セルフ式のガソリンスタンドでは、ガソリン給油機に「静電気除去シートに触れてください」と表示されています。音声案内が流れることもあります。なぜ触れる必要があるのでしょうか。

「必ず触れる」が72%

ウエザーニュースは「セルフ式ガソリンスタンドで、給油時に静電気除去シートを触りますか?」というアンケートを行いました(2019年2月4日実施、回答10,960人)。
回答にはコメントも添えられているので紹介します。「必ず触れる」と回答した人では、「元SSマンです。静電気の発生がいかに危険か知っていますから」「“静電気持ち”なので触らないと怖い」。みなさん、よくご存知です。

「時々触れる」と回答した人は、「空気の乾き具合で判断する」「めんどくさいから」。「触れたことがない」と回答した人は、「静電気を感じたことがないので」「必要性を感じたことがない」……この記事を読んで、静電気除去シートに触れる必要性を感じていただきたいものです。

ガソリンの蒸気に着火するのを防ぐ

「日本でセルフ式ガソリンスタンドが解禁されたのは1998年でした。しかし、利用者の体内に溜まった静電気がガソリンベーバー(ガソリンの蒸気)に着火する事故を防ぐため、2001年に総務省消防庁が業界に静電気対策をとるよう通達が出され、対策をとったのです」と語るのは、ガソリン給油機メーカー、タツノ(東京都港区)です。ちなみに、タツノは全国のガソリンスタンドの給油機のシェアが6割以上というトップメーカーです。

以前は、人の体の静電気がガソリンの蒸気に着火して火災事故が起きることもあったというから、静電気恐るべしです。

「静電気除去シートは導電性の素材を使用しています。人体に蓄積された静電気は給油機を介して確実に地面に放出しますので、利用時は必ずシートに触れてください」(タツノ)

ガソリンスタンド従業員は帯電防止服

静電気除去シートに触れずに給油して火災事故を起こす人は今でもいるのでしょうか。

「総務省消防庁によると、年に数件ですが、火災事故が発生していているようです。利用者が静電気除去シートに触れなかったのが原因と思われます。空気が乾燥する冬に多いのですが、冬季以外でも事故が起こっているので、必ずシートに触れてから給油してください」(同)

ところで、ガソリンスタンドの従業員が給油するのを見ると、静電気除去シートに触れていません。

「ガソリンスタンドの従業員は、作業着も靴も帯電防止のものを着用しているので静電気が溜まりにくいのです。また、静電気が溜まっていたとしても作業中は頻繁に車両やアースのある機器に触れているため放出されているのです」(同)

ガソリン給油中に火災事故を起こしたら大災害になりかねません。利用者は必ず静電気除去シートに触れて静電気を放出してください。