（1）『おおかみこどもの雨と雪』／2012年

『サマーウォーズ』など、人気の細田守監督作のアニメーション映画。大学生の花は“おおかみこども”の娘・雪と息子・雨を授かり、愛する彼らを育てるために田舎へと居を移します。

大自然に囲まれ、片寄せ合って自給自足の生活を送る親子3人が、ある朝、雨戸を開けると、外は一面の銀世界。笑い、駈け、雄叫びを挙げる雪と雨、追いかける花。

歓喜と高揚が白銀の世界で弾けます！空の色、雲の動き、風のそよぎ、雨の音……、自然描写も丁寧に描き込まれた珠玉作の中、この雪山と嵐の子別れのシーンは殊に忘れられない名場面です。

（2）『エターナル・サンシャイン』／2004年

バレンタイン目前に別れた元恋人のクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)と仲直りしようとしたジョエル(ジム・キャリー)。ところが彼女は彼のことをまるで知らないかのように振る舞います。エキセントリックな彼女がジョエルとの記憶を除去する手術を受けていたと知り、彼も同じ手術に臨みます。

ジョエルの脳裏に逆回転で蘇るクレメンタインとの記憶。雪降るモントークの海に、氷上デート。待って！その美しき思い出は消さないで！と愛を再確認する切ない心模様と、奇想天外なアイデアが奇跡的に織り合わさった、冬こそ観たいラブストーリーです。

（3）『フレンチアルプスで起きたこと』／2014年

『フレンチアルプスで起きたこと』3,800円(税抜) 発売元:オデッサ・エンタテインメント ©Frednk Wenzel

フランスのお洒落なスキーリゾートにやってきたスウェーデン人一家。ひと滑り終え、山際のテラスでランチを囲んでいると人工の雪崩が。携帯で撮影していた夫は、雪煙がテラスに迫った次の瞬間、なんと携帯を握りしめてひとりで遁走。置き去りにされた妻子の氷のような視線、痛恨の一件によって楽しいバカンスは一転し、雪山を舞台にしたリアル“男はつらいよ”物語に。

注目のスウェーデン監督リューベン・オストルンドのカンヌ国際映画祭受賞作は“あるある感”満載で、見た者同士で話が盛り上がること請け合いです！

（4）『シャイニング』／1980年

一台のビートルを追う空撮に、ベルリオーズの「幻想交響曲」が鳴り響くオープニングからゾクゾクが止まらないサイコホラーの金字塔。作家志望のトランス(ジャック・ニコルソン)が、小説を書くため、冬期休業のホテルに妻子を伴いやって来ます。そこは過去に凄惨な事件が起こった場所。

トランスの執筆は遅々として進まず、幼い息子には恐ろしい光景が見えはじめる。豪雪に閉ざされたホテル、雪の迷路、文字通り凍りつくトランス！スティーヴン・キング小説をもとに、鬼才キューブリックがトラウマ級の狂気と恐怖を描きます。

（5）『シェルブールの雨傘』／1964年

舞台は冬の港町、フランスのシェルブール。傘屋の17歳の娘ジュヌヴィエーヴと20歳のギイはともに結婚を誓い合ったカップル。ところがギイはアルジェリア戦争へ。輝くばかりのカトリーヌ・ドヌーヴが“あなたなしでは生きていけない”と歌う哀愁のメロディが涙を誘います。カラフルな愛らしい衣装で観客を楽しませたドヌーヴ。しかしラストシーンでは黒いコートに身を包み、ギイとの皮肉な再会を果たします。

先頃惜しくも亡くなったミシェル・ルグランの名曲と聖夜の雪が哀しみを謳い上げる、名匠ジャック・ドゥミのフレンチ・ミュージカルの傑作です。

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寒い冬に自宅で見たい！ 冬の舞台が際立つ映画5選