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雪国ほど冬は車の燃費が悪い! その理由と改善策とは?

2020/02/10 10:51 ウェザーニュース

財団法人省エネルギーセンターがまとめた燃費データの季節変動調査によれば、春と秋は平均燃費が約12~13km/Lで1年を通して最も燃費がよい季節といえますが、北海道など寒冷地では夏と冬の燃費の差は30%にもなり、冬の燃費の落ち込みが顕著です。
とりわけ冷え込みが厳しい2月は10km/Lを切ります。全国平均で見ても冬場、とくに2月はもっとも燃費が悪くなる時期といえます。

雪国エリアでは80%以上が冬は燃費悪いと感じている

ウェザーニュースでも全国の会員に対して、「冬になると車の燃費は悪くなると感じるか」というアンケート調査を実施しました。結果を見てみると、「感じる」が約半数で、「感じない」を上回っています。

エリア別で詳しく見ると、寒冷地とその他のエリアでは、はっきりと感じ方の違いがあらわれました。

北日本の日本海側〜北陸の雪国エリアでは、「感じる」の割合が80%以上という結果で、多くの方が燃費の悪さを感じています。

一方、関東南部や四国、九州南部など、ほとんど雪が降らないエリアでは「感じない」の方が多く、雪が多いエリアほど燃費悪化を実感していることが判明しました。

冬場に燃費が悪くなる原因は?

冬場に燃費が悪くなるのはなぜでしょうか? オートバックスセブンIR・広報部にその原因を聞くと、次のような複合的な要因を挙げて解説してくれました。

(1)暖房のためのアイドリング
「冬は、冷え切った車内を暖めるために、乗る前からエンジンをかけて暖気運転(アイドリング)を行いがちで、燃費悪化の要因になります」

(2)エンジンのアイドルアップ
「車は、気温が低いとエンジンを早く暖めるため回転数を上げるように設定されています。これをアイドルアップと言い、夏場よりも多くガソリンを消費します」

(3)空気密度の影響
「空気は温度が下がると密度が高くなるという特性があります。酸素密度が上がるとO2センサーが作動して、使いきれなかった酸素を燃焼させるため、多くガソリンを噴射します」

(4)エアコンの使用
「A/Cボタンとは『Air Conditioning』の略ですが、これをONにして走行すると、コンプレッサーが作動して電力を必要とし、ガソリンを消費することになります」

(5)スタッドレスタイヤの影響
「タイヤ1本の接地面積はハガキ1枚分といわれていますが、スタッドレスタイヤは路面の喰いつきをよくするため柔らかなゴムで作られていて、設地面積が通常のタイヤより多くなり抵抗が増すので燃費悪化につながります」

燃費低下を防ぐ対策は?

冬場はできるだけ燃費節約を心がけたいものです。「アイドリングを控える」「タイヤの空気圧をチェックする」「オイルをこまめに交換する」など基本的な対策のほかにも「状況に応じてA/Cボタンのオンオフを使い分ける」ことも燃費改善につながるといいます。

実は車のエアコンは車内を冷却・除湿する機能のみで、家庭用のエアコンのようにエアコン自体が空気を温めているわけではないのです。

「基本的に車の暖房はエンジンの排熱を利用しているため、コンプレッサーを回す必要はなく、ガソリンは消費されないので、暖房のみ必要なときは設定温度を上げて送風にするだけで、A/CボタンをOFFにしても大丈夫です」(オートバックスセブンIR・広報部)

ただし、送風だけの暖房だと車内の湿度が高くなり窓が曇りやすくなります。

「そんなときはA/CボタンをONにして車内の除湿をする必要があります。状況に応じてA/Cボタンを使い分けてください」(オートバックスセブンIR・広報部)

アンケート回答者からも、「余分な荷物を積まないようにしている」「満タン給油はしない」などのコメントがあり、特に寒冷地の人は少しでも燃費改善できるよう工夫しているようです。車が欠かせない人にとって、冬の燃費悪化は気になる問題です。

ちょっとした心がけで燃費は改善できるので、燃費悪化を実感している皆さんも是非試してください。