日本人が“お風呂”を愛する理由
「湯治(とうじ)」という言葉があるように、日本では非常に古くから温泉での入浴が健康のために活用されてきました。温泉や入浴の効果についても、長年さまざまな研究が行われています。
最近では、日本温泉気候物理医学会が5年かけて行った入浴・温泉利用による健康維持効果の調査や千葉大学の八木明男医師らの研究グループが全国1万3786人を対象に3年間追跡した調査などで、入浴習慣のある高齢者は要介護になるリスクが低いことが報告されています。
入浴は、身体を清潔に保ちリラックス効果が期待できるだけでなく、健康を増進するのです。
入浴は、身体を清潔に保ちリラックス効果が期待できるだけでなく、健康を増進するのです。
入浴の3つの作用とは?
「身体が芯から温かくなる」「疲れが洗い流される」など、私たちが日々実感している入浴の効果とは、どういうものなのでしょうか? 湯船でお湯に浸かると次の3つの作用があります。
入浴の効果で一番自覚しやすいのが、温熱の効果ではないでしょうか。皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がることで、全身の血流が促進されます。オススメは37〜40℃の少しぬるめの湯温です。自律神経の副交感神経系が優位になり、筋肉や関節組織が弛緩する効果やリラックス効果が得られます。
湯船に浸かったときに身体が軽く感じられるのが浮力です。水深により影響は異なりますが、首まで浸かった場合は体重が約1/10になるとされています。常に働いている筋肉や関節への負荷が減り、浮遊感によるリラックス効果も期待できます。
動かない水のなかで身体に働く水の圧力のことを「静水圧」と言います。水深1mにつき76mmHg(0.1気圧)ずつ水圧が増します。この作用により、手足の血管や腹部の内臓などが刺激を受け、全身の血行改善やむくみ解消などに役立ちます。
これら3つの作用により、新陳代謝が高まって体内の老廃物や疲労物質などが排出されやすくなります。入浴により肩のコリや筋肉痛などの改善も望めます。これらが総合的に働くことで健康効果が生まれるのです。
1.温熱作用
入浴の効果で一番自覚しやすいのが、温熱の効果ではないでしょうか。皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がることで、全身の血流が促進されます。オススメは37〜40℃の少しぬるめの湯温です。自律神経の副交感神経系が優位になり、筋肉や関節組織が弛緩する効果やリラックス効果が得られます。
2.浮力の作用
湯船に浸かったときに身体が軽く感じられるのが浮力です。水深により影響は異なりますが、首まで浸かった場合は体重が約1/10になるとされています。常に働いている筋肉や関節への負荷が減り、浮遊感によるリラックス効果も期待できます。
3.静水圧の作用
動かない水のなかで身体に働く水の圧力のことを「静水圧」と言います。水深1mにつき76mmHg(0.1気圧)ずつ水圧が増します。この作用により、手足の血管や腹部の内臓などが刺激を受け、全身の血行改善やむくみ解消などに役立ちます。
これら3つの作用により、新陳代謝が高まって体内の老廃物や疲労物質などが排出されやすくなります。入浴により肩のコリや筋肉痛などの改善も望めます。これらが総合的に働くことで健康効果が生まれるのです。
心身を癒すために効果的なこととは?
温泉療養では、温泉の含有成分や入浴による作用だけでなく、周辺の環境などによる総合的な心理作用や生体反応が、健康効果を引き出すと考えられています。自宅の湯船でも入浴の効果はありますが、気軽に足を運べ、日常とは違った雰囲気を楽しめる温浴施設なら、より高いリフレッシュ効果が期待できそうです。
お時間のある時に、近場の温泉施設などに足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
お時間のある時に、近場の温泉施設などに足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
参考資料など
「入浴習慣と要介護認定者数に関する5年間の前向きコホート研究」(日本温泉気候物理医学会温泉療法医会)、「お風呂の習慣(浴槽入浴)で要介護認定が3割減~高齢者約1万4千人3年間の追跡調査より~」、日本温泉気候物理医学会温泉療法医会HP(https://www.onki.jp/)