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地震に活断層型と海溝型 阪神・淡路大震災は?

2019/01/17 06:29 ウェザーニュース

地震は大きく分けて「活断層型地震」と「海溝型地震」の2種類あります。何がどう違うのでしょうか?
24年前の1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災はどちらの地震だったのでしょうか?

昨年は2つの強い活断層型地震

日本では震度1以上の地震が年間1000回前後発生しています。大半は震度4以下で被害は軽微なのですが、ときどき強い地震が発生します。
昨年(2018年)は、6月に大阪府北部地震(最大震度6弱)、9月には北海道胆振(いぶり)東部地震(最大震度7)が起こり、大きな被害をもたらしました。

定期的に発生する海溝型地震

地球は十数枚のプレートに覆われ、プレートは年間数cmずつ移動しています。そのため数十万年単位で見ると地形は変化していますが、数百年単位で見るとプレート同士がこすれ合って地震が起こっています。プレートは海の深いところで重なっているため海溝型地震と呼ばれます。

日本列島は「北アメリカプレート」と「ユーラシアプレート」に乗り、そこに東側から「太平洋プレート」(西北西方向に年間8cmの速度)と「フィリピン海プレート」(北西方向に年間3〜5cmの速度)が潜り込んでいます。東日本大震災は、太平洋プレートと北アメリカプレートの間で発生した典型的な海溝型地震でした。

1923年の関東大震災や、近い将来発生が予想される南海トラフ巨大地震は海溝型地震です。プレートは年間数cmの速度で移動しているため、数十年ないし数百年に1度の割合で大地震が起こることがわかっています。

予測が難しい活断層型地震

日本列島には約2000の活断層がある
プレート間で発生する海溝型地震に対して、プレート内で起こるのが活断層型地震です。プレートが移動するとプレート内にもひずみが生じ、そのひずみが溜まると地震が起こるのです。

過去の地震で断層ができたところは再び断層がずれて地震が起こりやすいため、その断層は「活断層」と呼ばれています。日本列島にはこの活断層が2000近くあります。
また、断層がずれる速度は千年に数十cm程度と遅いため、地震は数千年に1度の割合で発生しますが、予測が難しいのが現状です。

未発見の活断層で起こる地震

阪神・淡路大震災は活断層型地震で、六甲・淡路島断層帯の1つ、野島断層のずれによって生じました。野島断層は南西−北東に走る長さ約10kmの断層ですが、断層の南東側が南西方向に約1〜2m横ずれし、同時に0.5〜1.2m隆起したのです。1975年の地質図に活断層として記載されていました。大震災後の掘削調査で、前回の地震は約2000年前でした。
しかし、昨年の北海道胆振東部地震は深さ37kmの断層が動いた活断層型地震とされていますが、それだけ深いところの断層は未発見です。また、今年1月3日に熊本県熊本地方で発生した地震(最大震度6弱)は2016年の熊本地震(最大震度7)との関連が疑われましたが、「別の未発見の断層が動いた」とされています。

未発見の断層で起こる地震が少なくないことから、「地震が起こったところが活断層」と言う人もいます。

あなたの家の近くにどんな断層があるのか、地震本部(政府地震調査研究推進本部)のサイト「活断層の地域評価」で見ることができるので、ぜひ確認してみてください。