立川断層帯地震、帰宅困難者520万人と想定
東京近郊には、埼玉県名栗村から青梅市、立川市、府中市に延びている長さ約33kmの立川断層帯があります。最近の調査で立川まで延びていないという異説もありますが、内閣府の地震本部が2003年に公表した評価によると、この断層は上下方向へ1000年に20〜30cmの割合でずれが生じています。
平均活動間隔は1万〜1万5000年程度だといいますが、前回の地震は1万3000〜2万年前に起こっているので、次いつ大きな地震が起きてもおかしくありません。
平均活動間隔は1万〜1万5000年程度だといいますが、前回の地震は1万3000〜2万年前に起こっているので、次いつ大きな地震が起きてもおかしくありません。
次回の立川断層帯の地震は、M7.4程度、断層のずれが2〜3m、今後30年以内の発生確率は0.5〜2%(やや高い)と推定されています。東京都が公表した被害想定によると、冬の夕方18時(風速8m/秒)に地震が起こった場合、死者約2600人、負傷者約3万2000人、全壊棟数約3万5000戸、帰宅困難者520万人、避難者100万人にのぼります。
上町断層帯地震、避難者550万人と想定
大阪には、大阪府豊中市から大阪市を経て岸和田市に至る長さ約42kmに及ぶ上町(うえまち)断層帯があります。政府の地震本部が2004年に公表した評価によると、上下方向のずれの速度は1000年につき40cm程度、前回の地震は9000〜2万8000年前、平均活動間隔は8000年程度とされます。いつ起こってもおかしくありませんが、30年以内に地震が発生する確率は2〜3%(高い)とされています。
政府の中央防災会議が2007年に行った報告では、上町断層帯で次に起こる地震はM7.6で、被害が最も大きい場合は死者4万2000人、負傷者22万人、帰宅困難者200万人、全壊棟数97万戸、避難者550万人、経済的損失は74兆円と想定されています。
局所的な被害をもたらす活断層型地震
活断層型地震は陸地の浅いところ(地下10〜30km程度)が震源になるため、地震のマグニチュードが小さくても局所的な被害が大きくなります。阪神・淡路大震災はM7.3でした。東日本大震災のM9に比べれば、そのパワーは360分の1(Mが1下がると強さは32分の1になる)ですが、甚大な被害をもたらしました。
阪神・淡路大震災を振り返り、各地の活断層型地震にも警戒を怠らないようにしたいものです。
阪神・淡路大震災を振り返り、各地の活断層型地震にも警戒を怠らないようにしたいものです。