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必殺技かよ!? ちょっとかっこいい?気象用語特集

2019/02/05 05:18 ウェザーニュース

トラフが形成され…、線状降水帯が関係しており…など、気象用語には難しいものが多く、とっつきにくい印象を持たれてしまうこともしばしば。
しかし、中にはまるで必殺技のような、ちょっとかっこいい名前のものもあるんですよ!

ドライスロット

2016年4月30日の天気図
乾燥した寒気が発達した低気圧に向かって流れ込む現象のことです。
上の天気図は、ドライスロットが起きた4月30日のもの。大陸からの寒気が日本に流れ込み、標高の高い山々では氷点下となりました。

接地逆転層

通常、空気の層は上空に向かうほど気温が低くなっています。
しかし、放射冷却によって冷え込んだ朝の空気は重いので、下に沈み込み、地面に接したほんの数百mの層だけ気温が低く、その上空の気温が高いという逆転した状態になることがあります。
これが「接地逆転層」です。

オープンセル

暖流の影響で比較的暖かい日本海に、寒気が吹き付けると、空気の下層だけが暖められます。

空気は上下の温度差が大きくなると、温度差を解消しようと対流を起こします。
この時、暖かく軽い空気が上昇する部分と冷たくて重い空気が下降する部分ができます。

これにより空気が上昇して雲ができる部分と空気が下降して雲ができない部分ができ、オープンセルと呼ばれる蜂の巣またはドーナツ状の雪雲ができるのです。

トランスバースライン

撮影:千葉県市川市
巻雲の一種で、上空にあるジェット気流のすぐそばに時折現れます。
地上から見ると、写真のようになんとも不思議な縞々模様の空に。
ちなみに、トランスバースラインの近くでは、乱気流が発生していることが多く、飛行機のフライトには避けるべき空と言われています。

花粉光環

撮影:埼玉県狭山市
名前も見た目も必殺技チックな現象です。「花粉光環(かふんこうかん)」は、太陽の光が花粉の粒子の影響で曲げられることにより発生します。
つまり…花粉の大量飛散のサインなんです。あまり見たくない光景ですね(>_<)

ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲

撮影:兵庫県西宮市
不気味なギザギザの雲…まさに必殺技のような見た目ですね。これは、「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」と言います。

大気は色んな性質の空気の層が重なってできています。乾いた空気と湿った空気など質の異なる空気の層が上空で接していて、さらに、空気層の高さによって、風向きが大きく異なっていたり、風速に違いがあったりすると、気流が乱れて、こうした波のような形の雲が現れることがあります。

いかがでしたか?あ、これも必殺技みたい!なんて観点で天気予報を見ると、ちょっと楽しくなるかもしれません。
合わせて意味も覚えてしまえば、知らない間に天気に関する知識が豊富になっているかも!

参考資料など

※この記事は平成30年2月21日に配信した記事を加筆・修正しています