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新年会シーズンも気をつけたい!就寝直前のお酒はなぜNGなのか?

2019/01/10 07:28 ウェザーニュース

新年会が続く1月。お酒を飲むことできちんとした眠りが取れず、日中のパフォーマンスが落ちてしまっているかもしれません。
この時期に気をつけたいお酒との付き合い方を『大人女子のための睡眠パーフェクトブック』の著者で睡眠コンサルタントの友野なお先生にお聞きしました。

お酒は睡眠の質を落とす

英国のロンドン睡眠センターが約500人を対象に、就眠前のアルコール摂取と睡眠の関係を調べたところ、お酒を飲んで寝ると睡眠途中で目が覚める中途覚醒や、早朝に目が覚める早朝覚醒が増えることがわかりました。

「そもそもお酒には利尿作用があり、眠っている間、トイレに行きたくなったり、喉が渇いたりします。そのため夜中や朝早くに目覚めてしまい、深い眠りが得られにくくなってしまうのです」(友野先生)

確かにお酒にはストレスを軽減したり、血行を良くしたりといった効果があり、飲酒すると眠くなります。しかし、お酒を飲んだ後に気持ちよく眠れるのはあくまで一時的だと先生は言います。
「アルコールは肝臓に運ばれて分解され『アセトアルデヒド』という物質になるのですが、これには交感神経を刺激する働きがあり、眠りを浅くしてしまうのです。

また睡眠中、アルコールを分解するのにエネルギーを使うため、内臓は休むことができず、慢性疲労やむくみの原因にもなります。このようにアルコールは快適な睡眠を妨げるので、ベットに入る2時間くらい前にはお酒を切り上げるようにしましょう」(友野先生)

睡眠に良いノンアルコールビール

寝る直前のアルコールは百害あって一利なし。また寝る前にアルコールを摂る習慣がつくとアルコール依存状態になり、アルコール量も増えかねません。そのような人は、ノンアルコールビールに切り替えるのがいいといいます。

「ビールの原料である『ホップ』には、穏やかな鎮静作用があり、ドイツでは不安不眠の治療に使われています。また、麦芽に含まれているGABA(ギャバ)は睡眠障害や自律神経失調症などが改善できると注目されています。味もそれほど変わらないので、普段から2次会はノンアルコールに切り替えるなどの対策をとることをオススメします」(友野先生)

寝る前のアルコール摂取は、睡眠中の脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めるというデータもあります。寝酒が癖になってアルコール依存症になる前に、お酒と上手に付き合い、快適な睡眠を得ましょう。

参考資料など

『毎朝、目覚めるのが楽しみになる 大人女子のための睡眠パーフェクトブック』(友野なお著、大和書房)、『きょうの睡眠ダイエット: 4週間でヤセ体質に変わる』(友野なお著、主婦と生活社)、Alcohol-fuelled sleep 'less satisfying' BBC(https://www.bbc.com/news/health-21147780)