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【週刊地震情報】2018.12.30 2018年の主な地震活動

2018/12/30 14:12 ウェザーニュース

2018年に日本で震度1以上を観測した地震は2169回。2017年に比べるとわずかに多くなりました。

最も被害が大きかった地震は9月に発生した北海道胆振東部地震です。(12月29日までの集計)

国内:統計開始以来6度目の震度7 北海道胆振東部地震が発生

9月6日(木)3時8分頃、北海道の胆振地方中東部を震源とするM6.7の地震が発生。震源に近い厚真町で震度7を観測しました。震度7の揺れが確認されたのは熊本地震以来で、気象庁の統計では6度目となります。

安平町やむかわ町で震度6強、新千歳空港や札幌市東区でも震度6弱の強い揺れに見舞われました。厚真町では大規模な土砂災害が相次いで36人の方が亡くなったのをはじめ、道内全体で41人の死者。(消防庁まとめ)

さらに「ブラックアウト」によって、道内のほぼ全域が停電するなどの甚大な被害が発生。気象庁は「平成30年北海道胆振東部地震」と名称を定めました。

統計開始以来初の大阪府内で震度6以上

6月18日(月)7時58分頃、大阪府北部を震源とするM6.1の地震が発生。大阪市や高槻市、枚方市などで震度6弱を観測しました。大阪府内で震度6以上の地震が観測されるのは、1923年以降の統計で初めてのことです。

この地震ではブロック塀や家具の倒壊などで5人の方が亡くなっています。(消防庁まとめ)

大阪府内には有馬-高槻断層、上町断層、生駒断層など複数の活断層が知られていますが、地震調査委員会によると、今回の地震のメカニズムについては複雑で、これらの断層の直接的な関連性は断定出来ないとしています。

海外:M7以上は16回、最大被害はインドネシア・スラウェシ島

アメリカ地質調査所の解析による2018年のマグニチュード7以上の地震は16回発生しています。その中で最も規模が大きかったのは8月19日にフィジー近海で発生したM8.2の地震です。ただ、この地震は震源の深さが600kmのいわゆる深発地震だったため地上付近での揺れは小さく、被害の報告はありません。フィジー近海では9月6日にもM7.9が発生するなど大きな深発地震が多発しました。

被害が最も大きかったのは9月28日にインドネシア・スラウェシ島で発生したM7.5の地震です。地震の揺れによる液状化現象に加え、地震による海底地すべりが主因と見られる津波が発生し、スラウェシ州の州都であるパルで甚大な被害が発生しました。2000人を超える方が亡くなり、多数の行方不明者が出ています。インドネシアでは12月に火山噴火に伴う山体崩壊により津波被害も発生し、一般的なメカニズムとは違うパターンで起こる津波への対処が大きな課題となりました。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。