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「女正月」と「男正月」を知っていますか?

2019/01/06 13:15 ウェザーニュース

大晦日と三が日は、のんびりと、飲んで食べて寝ての日々を過ごした人も多いのではないでしょうか。その一方で、「てんてこ舞いで、のんびりなんかできなかったよ」という人もいることでしょう。この違い、男女の性差でも表れているかもしれません。

正月は1月1日と1月15日の2回ある!?

「女正月」という言葉があるのを知っているでしょうか。読み方は「おんなしょうがつ」。ただし、俳句では「めしょうがつ」と詠むことが多いようです。女正月は文字どおり「女の(ための)正月」です。

この女正月、実は1月1日ではなく、一般的には1月15日とされています。1月15日は小(こ)正月と一致します。女正月があるのなら、「男正月」は? と思う人もいるでしょう。

確かに、男のための男正月もあって、これは一般的な正月の1月1~7日で、大(おお)正月と同じ日です。では、なぜ「女正月」という日や名前ができたのでしょうか。

女性は大正月には料理の支度や親戚縁者の接待などに忙しく、正月気分などとても味わえなかったことと関係しているようです。小正月の時期になって、やっとゆっくりできて、正月気分を味わえる。それで小正月が女正月になったと考えられます。

正月料理は男が作るものだった!?

一方では、かつて「正月料理は男が作るもの」と考えられていた地域もあります。1941~1942年に行われた「食習調査」という調査によると、次のような結果も見られます。

●正月三が日、餅を焼いたり若水(わかみず)を汲んだりするのは男性だけ
●男性が元旦に煮炊きする
●正月の雑煮は必ず男性が作る

……こうしたしきたりが全国各地で見られたのです。

背景には、けがれに関することや神事との兼ね合いなどがあります。時代は移り、今年は2019年。5月1日には、元号も改まります。

いろいろな伝統を大切にしつつも、男女ともに協力して、楽しく健やかな一年を過ごしたいものです。

参考資料など

『歳時記百話』(高橋睦郎、中公新書)、『食文化から社会がわかる!』(竹内由紀子ほか、青弓社)