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毎年1,000件、減らない「電気火災」にご用心!

2019/01/04 07:06 ウェザーニュース

寒い日が続きますね。家の中で暖房器具を使っている人も多いことでしょう。そこで気をつけたいのは、火の元。火事は絶対に避けたいものです。

「うちは電気ストーブとこたつだけ。石油ストーブや石油ファンヒーターは使っていないから、大丈夫だよ」と思う人もいるかもしれませんが、電気ストーブなどが原因となる「電気火災」も、実は非常に多いのです。

減らない電気火災

電気火災とは、電気設備機器に起因する火災のことで、次の5つに分けることができます。

(1)電気ストーブ、電気こんろ、電気こたつなどの「電熱器」からの火災
(2)電子レンジなどの「電気機器」からの火災
(3)分電盤などの「電気装置」からの火災
(4)コードなどの「配線等」からの火災
(5)コンセントなどの「配線器具等」からの火災

東京消防庁管内での火災件数は年々減少しているのですが、電気製品を原因とする火災は毎年約1000件のまま、減ることなく変わりません。つまり、火災全体の中で電気火災が占める割合は、年々増加しているのです。

東京では、電気ストーブ火災は石油ストーブ火災よりもずっと多い

電気ストーブが原因の火災は多く、たとえば、東京消防庁管内で2017(平成29)年に発生した電気火災の上位5位は次のようになっています。
石油ストーブと石油ファンヒーターが原因の火災がそれぞれ19件と4件であることを考えると、電気ストーブが原因の火災がいかに多いかわかります。

では、電気ストーブ火災はどのようにして起こるのでしょうか。掛け布団や毛布、洗濯物などが電気ストーブに接触して起こるケースが最も多く、東京消防庁管内では2017年に63件ありました。

火を使わないことで火災になりにくく安全だと思われがちですが、不注意で火災が発生することが多いのでしょう。

電気火災を起こさないために実践すべきこと

電気火災を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。ポイントを挙げましょう。

(1)コンセント、テーブルタップ(電源タップ)などは定格電流以内で使用する
 ※定格電流とは、電気製品を安全に使用するために、製造者によって定められた電流の限度値

(2)電気器具を使用する際は、取扱説明書をよく読んで、記載のとおりに使用する

(3)電気ストーブの上や周囲に燃える物を置かない

(4)電気ストーブを使用したまま就寝しない(ベッドの近くに置いた電気ストーブと布団が接触して火事になることが多い)

(5)使用しない電気製品は電源をオフにして、プラグをコンセントから抜いておく

(6)コンセント、プラグにほこりがたまらないようにこまめに掃除する

上記のようなポイントが挙げられます。

「電気製品は火事と無縁」「電気なら安全」……ということは、まったくありません。電気設備機器を正しく、適切に使って、火災とは無縁の毎日を過ごしたいものです。

参考資料など

取材協力/東京消防庁