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【週刊地震情報】2018.12.16 三重県沖の地震で異常震域

2018/12/17 07:05 ウェザーニュース

日本域の最近一週間の地震回数は先週に比べると少なく、震度3以上の地震も3回に留まりました。(12月10~15日の集計)

国内:三重県南東沖の地震、異常震域の震源分布に

10日(月)0時22分頃、三重県南東沖でM5.3の地震が発生しました。この地震で最も強い震度2を観測したのは栃木県の高根沢町。震度1を観測したのも関東各地や福島県で、震源に近い三重県や愛知県、静岡県では観測されていません。

この地震は震源の深さが370kmと深く、いわゆる「深発地震」と呼ばれるタイプです。深発地震では、しばしば「異常震域」という現象が現れます。

海洋プレート(太平洋プレートやフィリピン海プレート)は地震波をあまり減衰せずに伝えやすい性質を持っています。このため、沈み込んだ海洋プレートのかなり深い場所で地震が発生すると、震央近くには地震波があまり伝わらない一方で、海洋プレートは地震波をあまり減衰せずに伝わり、震央から離れた所で揺れを感じるのです。
最近では2015年に小笠原諸島西方沖で発生したM8.1の地震が代表的で、震源から遠く離れた神奈川県で震度5強を観測しました。

海外:南極プレートの境界でM6以上が発生

アメリカ地質調査所の解析によるマグニチュード6以上は2回発生しています。いずれも南極プレートの境界付近で発生した地震です。

日本時間の11日11時26分頃、南大西洋のサウスサンドイッチ島近海で発生した地震はM7.1。深さが約160kmと深いため、津波の発生はなく、人が住む島から震源が離れているため、揺れによる被害も報告はありませんでした。

今回の震源は南アメリカプレートとスコシアプレート、南極プレートが接する辺りで、過去にも地震が頻繁に発生しています。11月には今回に比べて少し浅い所でM6.4の地震が発生。遡ると1929年にはM8.1の巨大地震が起きたこともあります。

参考資料など

※日本国内の震源・震度の情報は特に記載が無ければ気象庁より。海外の震源情報は特に記載が無ければアメリカ地質調査所より。発表機関により震源情報に差が生じることがあります。