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“史上最高の暖冬”2006-07年に何が起こったか?

2018/12/04 07:10 ウェザーニュース

気象庁は11月26日、東日本、高温に関する異常天候早期警戒情報を発表しました。12月1日〜7日の1週間、東日本と西日本は平年より2℃以上気温が高くなるというのです。

暖冬では日本列島で何が起こるのでしょうか。1889年の観測開始以来、1948-49年と並んでタイ記録の暖冬だった2006-07年の出来事を紹介します。

豪雪地帯でスキー場が営業できず

2006-07年の冬(12-2月)は、平年に比べて北日本が+1.8℃、東日本が+1.7℃、西日本が+1.6℃、南西諸島が+1.2℃でした。平年比+0.5℃以上が暖冬とされるのですから、いかに気温が高い冬だったかがわかります。

記録的暖冬の影響は多方面に及びました。日本海側の豪雪地帯では積雪量が平年の1割にも満たない地域があり、スキー場は営業できないところが相次ぎました。

インフルエンザの流行が1ヵ月遅れに

東京では観測史上初めて雪が降らない冬になりました(3月16日に初雪を観測したが、冬に3月は含まれない)。群馬県榛名湖では十分に結氷せず、冬の名物「わかさぎ釣り」が中止に。青森市で例年開催されていた「青森冬まつり」も雪不足で中止になりました(冒頭写真)。

寒くて乾燥した日が少ないため、インフルエンザの流行期入りが遅れ、例年なら2月中旬にピークを迎えますが、約1ヵ月遅れの3月中旬がピークになりました。

1月にスギ花粉の飛散開始、サクラの開花も早まる

東京では3月20日にサクラが開花するなど、多くの地域でサクラの開花日が早まりました。

また、スギ花粉飛散開始も東京では1月31日となり、1月中の飛散開始は1985年の観測開始以降初めて。飛散の開始が早まったため、ドラッグストアでは約2週間早く店頭に花粉症対策グッズを並べました。

冬物衣料は軒並み不振で、ウールコートなど防寒着の落ち込みが大きかったのですが、冬には売り上げが落ちる紫外線防止クリームや制汗剤がよく売れました。

冬物野菜やカキなどの価格が下落

暖冬は食卓にも影響を及ぼし、スーパーでは鍋物の食品が売れずに、アイスクリームや冷たいお茶がよく売れました。畑では冬野菜の成長が良く、白菜や大根はかなり安くなりました。

また、養殖カキの成長が早く平年の2〜3割安に。さらに、千葉県沖ではマダイが例年より1ヵ月ほど早く漁期をむかえ、しかも大漁でした。

東京都では交通事故による死者が増加しました。警視庁によると、2月末までの死者数が52人と前年に比べて13人多く、65歳の高齢者が全体の41.5%を占めました。暖かい日が多く、外出する高齢者が増えたことが原因ではないかと指摘されました。

冬の降水量は東日本〜西日本の日本海側でかなり少なく、留萌(北海道)、福井では冬の最少記録を更新。その一方で、北日本〜東日本の太平洋側の降水量は平年より多かったのです。

今年も2006-07年並みの暖冬になれば、12年前に起こったことが再来するかもしれません。
>>詳しいエリアごとの今冬の予想