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室内の気温差が危ない 寒い脱衣所やトイレで多い"ヒートショック現象"

2018/11/28 10:42 ウェザーニュース

これから寒くなるにつれて帰宅後の温かなお風呂が楽しみになってきますが、実は危険が潜んでいます。

冬に増える風呂場の事故

東京都23区における入浴中の事故死、平成16年~平成25年の平均(消費者庁)
入浴中の事故死は冬季に多く、12月から2月の間に全体の約5割が発生しています。
冬場は、入浴中の急激な体温上昇「ヒートショック」で心肺停止状態に陥り、亡くなる方が増えてくるためと言われています。

ヒートショック現象とは?

ヒートショック現象とは、急激な温度変化が体に及ぼす影響のことで、血圧が急に上下したり脈拍が早くなる現象のこと。一般的に気温差が10℃以上ある場合は注意が必要とされています。
特に冬の寒い時期に、暖房の効いた暖かい部屋から、気温の低い脱衣所やトイレなどへ移動する際、室内の温度差によってヒートショック現象が起きやすくなります。

▼行動と血圧の関係
 居間(暖かい)⇒血圧正常
 脱衣所(寒い)⇒血圧上昇
 浴槽(暖かい)⇒血圧降下
 浴室から出る(寒い)⇒血圧上昇

その結果、特に高齢の方や高血圧の方ほど心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中などを引き起こし命の危険につながる恐れもあります。

ヒートショック予防策

●脱衣所を暖かくしておく
暖房器具などを使って、暖かい部屋と脱衣所の温度差をなるべく小さくしておくことをおすすめします。

●浴室を暖かくしておく
浴室暖房がおすすめですが、設置できない場合はお湯はりを高い位置のシャワーから給湯することで、浴室全体があたためられます。また、お湯は冷めてしまいますが、バス蓋を開けておくのも効果あり。

●お風呂のお湯はぬるめに
寒い日はつい、お風呂のお湯を熱くしてしまいがちですが、心臓や肺への負担を考えると、38度〜39度のぬるま湯がおすすめです。熱めがお好みの方は、追い焚きをして42度で出ましょう。

また、お年寄りや血圧の高い方がいらっしゃるご家庭では、家族で声をかけあうなども対策の一つといえそうです。