流行具合は気温や湿度と密接に関係
季節性インフルエンザは例年12月ごろに流行期入り(定点当たりの報告数が1.0以上)が発表されます。国立感染症研究所によると、昨シーズン(2017-2018年)と一昨年(2016-2017年)の流行の始まりは11月下旬で、例年よりも早めでした。その前の2015-2016年シーズンは少し遅く、1月上旬でした。
流行期入りするかどうかは、気温や湿度と密接な関係があります。インフルエンザが冬場に流行するのは、寒さと空気が乾燥することが影響しています。厳しい寒さと空気の乾燥状態が続くことで、のどや気管支の防衛機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなるのです。
流行期入りするかどうかは、気温や湿度と密接な関係があります。インフルエンザが冬場に流行するのは、寒さと空気が乾燥することが影響しています。厳しい寒さと空気の乾燥状態が続くことで、のどや気管支の防衛機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなるのです。
急激な気温低下と湿度低下が合図?
気象とインフルエンザウイルスとの関係などについて研究している岡山理科大学の大橋唯太(ゆきたか)准教授によると、昨シーズンなど流行期入りが早まったシーズンは、11月の終わりから12月の初めにかけて、冬型の気圧配置が強まって一時的に急激な気温の低下と絶対湿度(大気1立法メートルに含まれる水蒸気の量をあらわす)の低下の両方が起こり、それと連動してインフル患者が急増しました。
一方、流行期入りが遅れた2015-2016年シーズンでは、12月から暖冬傾向が強かったことが影響したとみられるそうです。
一方、流行期入りが遅れた2015-2016年シーズンでは、12月から暖冬傾向が強かったことが影響したとみられるそうです。
どうなる? 今シーズンのインフルエンザ流行
今冬はエルニーニョ現象の影響で東日本と西日本を中心に、例年より気温は高めに推移し、降水量も全国的に例年より多めに推移するとみられています。
そうなると、今シーズンの流行期入りは例年より遅めとなるのでしょうか。大橋准教授は、次の2点を指摘します。
(1)12月の平均気温が平年よりも高くなれば、インフルエンザの流行は遅れることが予想される。
(2)冬型の気圧配置が強まるなど寒波が到来し、気温の急低下と同時に湿度の急減少を招いたときは、インフルエンザ流行の引き金になる可能性が高い。
予報では暖冬傾向とみられていますが、寒波の到来によっては、流行期入りが早まることもありうるということになります。
この三連休の日本付近は再び冬型の気圧配置となり、今シーズンで一番強い寒気が南下しています。特に北日本は12月中旬並みの寒気に覆われる予想で、インフルエンザ流行の引き金となるかもしれません。予防接種など早めの対策が必要となりそうです。
(1)12月の平均気温が平年よりも高くなれば、インフルエンザの流行は遅れることが予想される。
(2)冬型の気圧配置が強まるなど寒波が到来し、気温の急低下と同時に湿度の急減少を招いたときは、インフルエンザ流行の引き金になる可能性が高い。
予報では暖冬傾向とみられていますが、寒波の到来によっては、流行期入りが早まることもありうるということになります。
この三連休の日本付近は再び冬型の気圧配置となり、今シーズンで一番強い寒気が南下しています。特に北日本は12月中旬並みの寒気に覆われる予想で、インフルエンザ流行の引き金となるかもしれません。予防接種など早めの対策が必要となりそうです。