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サーキュレーター活用で20%暖房省エネも

2018/11/18 11:59 ウェザーニュース

11月下旬は真冬並みの強い寒気が列島に南下する見込みです。平均気温が平年を大きく上回った11月上旬から一転して、この時期本来の寒さが一気にやってくることになります。北海道や東北では雪への備え、全国的にも寒さへの備えを急ピッチで進めたほうが良さそうです。

寒さへの備えといえば暖房ですが、気になるのが電気代などのコスト。経済産業省は『家庭の省エネ徹底ガイド』で、暖房時にサーキュレーター(空気を循環させる家電)を使い、温かい空気を循環させて体感温度を上げることを奨励しています。サーキュレーターとは、その形が扇風機に似ているため、夏の家電というイメージがありますが、冬にも効力を発揮するのです。

サーキュレーターの特長と使い方について、アイリスオーヤマ株式会社広報の松下沙樹さんに伺いました。

暖かい空気を循環させて省エネ効果大

エアコン暖房によって温められた空気は天井付近にたまります。

「部屋の上にたまった温かい空気をサーキュレーターで循環させると、部屋の温度ムラがなくなり、エアコンの設定温度を高くしなくても温かく感じられるのです。その結果、電気代の節約につながるというわけです」(松下さん)

サーキュレーターを使った場合の暖房の具体的な省エネ効果についても教えてもらいました。

「サーキュレーターを併用した場合は、エアコン暖房のみと比べて足元の温度が2℃アップしたという結果になりました。一般的に、エアコンの設定温度を1℃下げると10%の節電につながりますので、エアコンの温度設定を2℃下げてサーキュレーターを併用することで、20%弱の省エネ効果があります。

またエアコン暖房のみだと、スイッチを入れてから10分後には部屋の天井と床の温度差が8.8℃もありましたが、サーキュレーターを併用した場合はその温度差が急速に小さくなります」(松下さん)

扇風機とサーキュレーターの違いは?

サーキュレーターを扇風機で代用することはできるのでしょうか?

「扇風機は、人が涼をとるための風を起こすのですから、広範囲に拡がる風をつくり、到達距離も短いといえます。一方、サーキュレーターは空気を循環させることが目的なので、直進的で遠くまで届く風を起こします。暖房使用時に部屋の空気を循環させる場合は、扇風機よりサーキュレーターのほうが効果的なのです」(松下さん)

サーキュレーターは、上に向けて風を送る

サーキュレーターを効果的に活用するために、置く場所についても松下さんはアドバイスします。

「天井の暖気を循環させるのですから、サーキュレーターは上に向けるのが原則です。エアコンが部屋の隅に設置されている場合は、エアコンと対角線上にサーキュレーターを置き、エアコンに向けて風を送るとよいでしょう。石油ファンヒーターで暖房している場合も、エアコン使用時と同様に温かい空気は上にたまるので、サーキュレーターを上に向けて送風してください」(松下さん)

一般的なサーキュレーターは風量最大で使用しても電気代は1時間あたり1円前後で、エアコン暖房の電気代と比べると安価です。

これから本格的な寒さがやってきます。暖房による電気代などが気になる時季ですが、上手に節電しながら快適な室内環境を作りましょう。
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