facebook line twitter mail

”例年”とは違う"平年並"が表している本当の意味とは

2018/11/14 13:40 ウェザーニュース

テレビで天気予報を見ている時に「気温は平年並となりそうです。」というような表現をよく耳にしませんか?

この「平年並」という言葉、一体どういう意味なのでしょう。

平年は30年間の平均値

平年並の説明をする前に、そもそも平年とは何なのかについてご説明します。
気象業界でいう平年とは、30年間の平均値のことです。

では、30年間とは一体いつからいつまでの30年間かというと、現在は1981年〜2010年。
“現在は”とわざわざつけたのは、常に同じではないからです。

平年は、西暦の1の位が1の年ごと、つまり10年ごとに更新されるのです。
3年後の2021年には、平年が1991年〜2020年の30年間の平均値に変わります。

30年間の平均くらい=30年間のちょうど真ん中の10年

情報元:気象庁
先ほどの平年の意味を踏まえると、平年並とは(気温や降水量などが)30年間の平均くらいということになります。

ただ、例えば気温の場合、具体的に30年間の平均値から前後何℃くらいまでを平年並みとしてよいのか、明確にしなければ表現として使うことはできません。
そのため、以下の手順で平年並の範囲を決めています。

【今回は気温を例に】
・まずはそれぞれの年ごとに、平年との差を求める
・差が低いものから順に並べる
・1〜10番が低い、11〜20番が平年並、21〜30番が高いとする

今回の場合は平年から-0.1℃〜+0.3℃の範囲内であれば、平年並としてよいということになります。

過去30年分のデータからはじき出された「平年並」

平年並=普通を表現する言葉、くらいに捉えている方も多いかもしれません。しかし、実は30年間という長い期間のデータを元にしており、さらに年々変化する気候に合わせて10年ごとにデータも更新された上ではじき出されたものだったんです。

今回紹介した平年並の意味や設定された背景がわかると、今後の気象情報の見方も変わるのではないでしょうか。

参考資料など

【参照・参考元】
気象庁「平年値とはなんですか?」http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq17.html
気象庁「3つの階級について」http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kisetsu_riyou/class/index.html