facebook line twitter mail

寒さ&乾燥対策 加湿器の効果的な使い方

top

2018/11/12 13:46 ウェザーニュース

暦は立冬を迎えて寒さが増し、暖房を使い始める季節となりました。

冬季は気温の低下によって空気中の水蒸気の量が減ることに加え、暖房利用によって乾燥に悩まされることが多くなります。加湿器を利用して湿度に気を配り、室内湿度40~60%を心掛けましょう。

湿度を上げれば体感温度が上昇

暖房器具の中でも石油ストーブやガスファンヒーターなどは、石油やガスに含まれる水素が燃えて空気中の酸素と結びつき水蒸気を発しますが、エアコン暖房の場合はこうした水蒸気の発生はなく、どうしても室内が乾燥します。

ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)のデータによると、人が健康に過ごせる最適湿度は40~60%です。室内湿度が40%を切るようなら加湿器を用いましょう。

人間の体感温度には湿度も関係していて、多湿のほうが暖かく感じられます。湿度を15%上げれば、室温を1℃下げても体感温度は変わらないといわれます。つまり、エアコン暖房時に加湿器によって湿度を上げれば、省エネにもつながるのです。

またASHRAEのデータでは、湿度が40%未満だとインフルエンザウイルスなどが生きのびやすくなります。そのため、エアコン暖房と加湿器の併用で湿度を保つことがインフルエンザ予防など健康面でも有効です。

寒さや乾燥対策につながる加湿器の効果的な使い方を、アイリスオーヤマ株式会社広報部の松下沙樹さんに伺いました。 

box1

(1)加湿器は部屋の中央・やや高い位置に置く

「適用畳数の範囲内であればどこに置いても湿度を上げることはできますが、部屋の真ん中が最適と考えられます。小型の製品であれば机の上などに置いた方がよいでしょう。加湿器から噴出された水蒸気は、サーキュレーターなどを活用して拡散させるのも効果的です」

冷たい空気は室内の下部に集まるので、床にじかに置くと水蒸気は床にたまりがちになります。また、温度の低い窓際に置くと水滴が付く結露の原因となり、カビが発生しやすくなってしまうので、加湿器を置く場所は、なるべく部屋の中央、テーブルの上など少し高めの場所に置きましょう。

※適用畳数:その製品が、室温20℃・湿度60%に維持できる部屋の大きさの目安

(2)毎日水を交換する

加湿器の内部には水が残りやすく雑菌が発生しがちです。「お手入れについては、毎日タンクに残った水を捨てて、水を入れ替えてください」と松下さんは呼びかけています。

水は水道水を使用してください。水道水に微量に含まれる塩素が、雑菌の繁殖を抑えてくれます。

(3)暖房OFFなら加湿器のスイッチもOFF

加湿器は夜寝るときもつけっぱなしにしている人もいると思われます。「湿度を一定に保つ機能付きの加湿器であれば問題ないのですが、暖房を切ってしまうと部屋全体の空気が冷え、加湿を続けると湿度が上がりすぎてしまう場合もあるので、注意してください」(松下さん)

暖房を切って室温が下がると湿度が上昇します。湿度が高すぎると、空気に溶けきれない水蒸気が結露してしまうので、寝るときはエアコンと共に加湿器のスイッチも切るか、タイマーで調整しましょう。

暖房を効率よく保ち、健康に適した湿度維持のために、加湿器を正しく活用しましょう。

    このニュースをSNSでシェア