誰かの細胞内でしか生き残れないウイルス
「細菌は適度な湿度と温度、栄養があれば生存・増殖できます。だから食中毒菌などは弁当箱の中で増殖するのです。しかし、ウイルスは人や動物の細胞内でしか生存・増殖できません。咳やくしゃみなどで体外に出たウイルスは、誰かに感染して細胞内に入らない限り生き残れないのです」と語るのは、横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長です。
では、人に感染できなかったウイルスはどうなるのでしょうか?
「人や動物の体から出たウイルスは、一定の時間を過ぎると不活化(ふかつか)する、つまり死滅します。寿命を迎えたと言っていいでしょう。その寿命はウイルスによって違い、短いものもあれば、驚くほど長いものもあります」(吉田院長)
では、人に感染できなかったウイルスはどうなるのでしょうか?
「人や動物の体から出たウイルスは、一定の時間を過ぎると不活化(ふかつか)する、つまり死滅します。寿命を迎えたと言っていいでしょう。その寿命はウイルスによって違い、短いものもあれば、驚くほど長いものもあります」(吉田院長)
体外で1ヵ月以上生きるウイルスも
ウイルスの寿命は多くの研究機関が調べています。以下、代表的なウイルスの寿命を紹介します。
【インフルエンザウイルス】
ウイルスが付着した表面の状況(平滑か凸凹か)や気候条件(温度、湿度など)、付着したウイルスの状態と量によっても変わりますが、通常の飛沫が付着した場合には、およそ2〜8時間と考えられます。
【ノロウイルス】
気温が20℃では1ヵ月前後ですが、4℃だと2ヵ月間感染力を保ちます。
【RSウイルス】
温度変化に弱く、55℃で5分間、37℃で24時間、4℃で4日間後に90%が感染力を失います。
【アデノウイルス】
流行性角結膜炎(はやり目)などを流行させるウイルスです。何かの表面に付着したものは、紙の上で10日、モノの表面で3〜8週間生存することがあるとのデータがあります。
「インフルエンザやノロウイルスは低温・乾燥の環境では寿命が延びます。それが冬に流行する理由です。手洗いとマスクなどで冬の感染症を予防してください」(吉田先生)
【インフルエンザウイルス】
ウイルスが付着した表面の状況(平滑か凸凹か)や気候条件(温度、湿度など)、付着したウイルスの状態と量によっても変わりますが、通常の飛沫が付着した場合には、およそ2〜8時間と考えられます。
【ノロウイルス】
気温が20℃では1ヵ月前後ですが、4℃だと2ヵ月間感染力を保ちます。
【RSウイルス】
温度変化に弱く、55℃で5分間、37℃で24時間、4℃で4日間後に90%が感染力を失います。
【アデノウイルス】
流行性角結膜炎(はやり目)などを流行させるウイルスです。何かの表面に付着したものは、紙の上で10日、モノの表面で3〜8週間生存することがあるとのデータがあります。
「インフルエンザやノロウイルスは低温・乾燥の環境では寿命が延びます。それが冬に流行する理由です。手洗いとマスクなどで冬の感染症を予防してください」(吉田先生)
参考資料など
CDC「2009 H1N1 Flu ("Swine Flu") and You」/Doultree J.C.,Druce J.D.,Birch C.J.,Bowden D.S.,Marshall J.A..Inactivation of feline calicivirus, a Norwalk virus surrogate. Journal of Hospital Infection 1999,vol.4,no.1/菱木はるか 他:小児看護 2005;28(5):603-10.【7897】/ Kampf G, Todt D, Pfaender S, Steinmann E, Persistence of coronaviruses on inanimate surfaces and its inactivation with biocidal agents, Journal of Hospital Infection, https://doi.org/10.1016/j.jhin.2020.01.022.