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できた時期で形が変わる?
イチョウの葉の不思議

2018/11/04 13:02 ウェザーニュース

秋も深まり、東・西日本でも黄色に染まるイチョウが見られるようになってきました。
さてみなさん、イチョウの葉って形に違いがあることを知っていましたか?

イチョウの葉の形、確かにちがう?

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イチョウの葉には、切れ込みがあるものと、切れ込みがないものがあります。

切れ込みが葉の真ん中に入っているものを「ズボン型」、複数入っているものを「手のひら型」と呼び、切れ込みがないものを「扇型」と呼びます。

「そういえばどれも見たことあるような…」「いやいや気づかなかったから!」と意見も分かれそうなのですが、

実は切れ込みのある葉は「雄」で切れ込みのない方は「雌」という、驚きの説があるというのです。

それは本当なのか?

日本花の会 樹木医である和田博幸さんに、このイチョウの葉の形の違いについてお伺いしました。

葉の切れ込みは何によって決まる?

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雄・雌で違うというのは俗説

『イチョウは雄雌異株、つまり「オス」「メス」があります。
イチョウの葉の形で、オス・メスが違うという説がありますが、これは俗説です。葉の形では全く見分けられません。

ただし、メスの木の葉の方がオスの木に比べると、2割ほど大きな葉をしているようです。これは実をつけるために、そのぶんのエネルギーを光合成で生産しなければならないからだと思われます。』(和田さん)

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昭和記念公園より(2016年)

6月以降にできた葉は切れ込みが多い!?

『なぜ葉の中央に切れ込みがあるものとないものがあるのか?これは理由がわかっていません。

ただ、5月頃に展開した葉は切れ込みがなく、同じ枝の葉でも6月以降に展開した葉には切れ込みを生じる割合が増えるようです。』(和田さん)

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街路樹は剪定されたイチョウが多くみられる
神宮外苑より(2015年)

剪定した木は手のひらの形に

『剪定した後に伸びる枝(徒長枝)に展開する葉は、手の平の形になることがあります。剪定されるとその分の失ったエネルギーを補おうとして光合成量を増やす必要があり、イチョウは葉を大きくします。

しかし大きな葉は風の抵抗を受けやすく、扇型のままでは抵抗が大きく、風で葉がむしり取られることにもなり兼ねません。
そうなっては大きな葉は意味をなしません。そこで風の抵抗を軽減させるために葉に手のひらのような切れ込みを作ります。

手のひら型の葉は剪定した街路樹のイチョウに多くみられますので、探してみると見つけられるかもしれません。』(和田さん)
風の抵抗を減らすために、葉にスリットを入れる…人間よりテクノロジーを先取りしていたとは!!

イチョウの葉を見て楽しもう♪

イチョウにはまだ分かってないことが多くありますが、葉っぱにイチョウの生きる術やロマンを感じますね!
イチョウを見るときは葉っぱの形にも注目してみてはいかがでしょうか?

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