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天気痛に悩む“低気圧女子” 冬は体を温めるべし

2020/04/03 14:00 ウェザーニュース

“低気圧女子”という言葉を耳にします。低気圧が近づくと頭痛やむくみ、めまいなど、いわゆる気象病「天気痛」が現れる女性のことで、気象予報士で健康気象アドバイザーの小越久美さんが最近出版した『低気圧女子の処方せん』によって広まりました。
女性の気象病はどんな特徴があり、どうすれば改善するのでしょうか。

気象病外来の8割が女性

「私が開設している愛知医科大学の天気痛外来にみえる患者さんの8割は女性です。女性は気象の影響を受けて、頭痛、むくみ、めまい、耳鳴りなどの症状が出やすいのです」と語るのは、ウェザーニューズ天気痛顧問アドバイザーで愛知医科大学客員教授・中部大学教授の佐藤純先生です。

「女性は筋肉量が少ないうえに薄着をすることが多いため、冷え性が多い、頭を支えきれずに肩コリや首コリが多いといった特徴があります。PMS(月経前症候群)では偏頭痛だけでなくイライラや落ち込みといった精神症状を訴える人が多く、40〜50代になれば更年期障害で、のぼせ、ほてり、めまい、頭痛、全身倦怠感などが何年も続くのです。そうした症状が気圧や気温の変化で増幅されるのです」と佐藤先生は続けます。

佐藤先生によると、男性も天気痛に悩む人は少なくないのですが、頭痛やめまいで出社できなくなるなど、にっちもさっちもいかなくなって来院するケースが多いそうです。

体を温めると症状が軽減する

気圧が下がって天気が崩れる、前日よりかなり気温が低下する、乾燥注意報が出るほど湿度が下がるといった気象の変化で症状が悪化するのが天気痛の特徴です。
「天気痛をすぐに治すことは難しいのですが、症状を軽減することはできます。秋から冬にかけては、体が冷えて症状が重くなっていることが多いので、毎晩、風呂でぬるめのお湯(40℃前後)に10〜15分ほど浸かり、体を温めてから眠ってください。そして、手首・足首・胸首を冷やさないことです」(佐藤先生)

手首・足首・胸首は動脈が体表近くを通っているため、ここを冷やすと体温が低下します。胸首はタートルネックやスカーフ、マフラー、手首はリストウォーマーや手首サポーター、足首はブーツやレッグウォーマーなどで冷気から防衛するのです。

「偏頭痛がある人は、首元がきついと痛みが強まるというので、冬でも襟なしのブラウスを着る人がいます。足首・手首・胸首を温めると肩コリや首コリの予防にもなるし、偏頭痛が改善すると言って襟付きのシャツなどを着てもらったところ、偏頭痛が改善したそうです」(佐藤先生)

自分は天気痛かもしれないと思う人は、特に天気予報で雨や気温低下など天候悪化の予報が出たときは、体を冷やさないよう暖かい服装を心がけてください。
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