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11月は寒さが織りなす神秘的な空がいっぱい!

2018/11/01 06:27 ウェザーニュース

今日から11月に突入。早くも今年は残り2か月を切りました。

11月は寒さが演出する神秘的な空を目撃しやすいタイミングです。
空が大好きなウェザーニュース気象予報士が厳選する、11月に見られる空の表情をご紹介します。

虹色の現象

群馬県より(2013.11.27)
秋は日本列島の上空を偏西風が流れることが多い季節です。

低気圧や高気圧は偏西風とともにやってくるので、この時期は低気圧と高気圧が次々に日本にやってきます。

そのため、青空からどんよりした空まで色々な空が広がりますが、特に注目なのは薄い雲が広がった時。

空には虹色に輝く、いろいろな現象が現れることがあります。

笠雲・レンズ雲

山梨県より(2014.11.24)
富士山にできる笠雲は一年中見られますが、特に現れやすいのが日本海を低気圧が進む時です。

富士山に向かって南西から湿った空気が勢いよく流れ込む影響で笠雲が発生します。

秋は日本海を低気圧が通過することが多いので、大きな笠雲を見るチャンスです。

ただ、秋はこのような低気圧が発達しやすい時期でもあるので、強風や激しい雨にも警戒が必要です。

白虹(霧虹)

宮城県より(2015.11.04)
秋の昼間は20℃を超える一方で、朝は10℃を下回ることが多くなってきます。

この昼間の暖かな空気と朝の冷たい空気により霧が発生しやすい時期です。

そして、霧が出ると霧によって虹が出来ることがあります。

雨粒によって出来る虹は七色ですが、霧によって出来る虹は色が白しかありません。

また、白い虹が見られる時はだんだんと晴れてくる証拠なので、もしその時に霧が濃くても天気はすぐによくなります。

蜃気楼(だるま現象)

高知県より(2011.11.22)
秋が深まると、時々偏西風が日本の南にまで南下するようになります。

そうすると日本には寒気が流れ込み、冷たい北風が吹きます。

ただ、海水はすぐには冷えないので、相対的に暖かな海水に触れている海面上の空気と、その上を流れる冷たい空気により、密度が異なる2つの空気の層が出来ます。

この2つの層により光が曲がり、蜃気楼が発生します。
兵庫県より(2017.11.05)
だるま朝日やだるま夕日も同じような原理で、この時期によく見られます。

尾流雲

青森県より(2011.11.15)
雲から雨や雪が降る時の雲の底の様子です。

写真にあるように、雲の底がぼやけてしっぽのように垂れ下がっています。

このような状況を「尾流雲」と呼んでいます。

まだ地上まで雨や雪が届いていないのですが、もうそろそろ届こうかという状況なので雨・雪が降る半歩手前となります。

時雨の時はこの尾流雲が沢山現れるので、面白い空を楽しめます。