発生回数は過去4年平均比0.4倍
今シーズン(7月20日〜9月19日)の全国のゲリラ豪雨の発生回数は合計3,501回で、ゲリラ豪雨が少なかった昨年(3,479 回)と比較すると、全国平均で同程度となりました。過去4年平均(8,965回)と比較すると、発生回数は全国平均で半分以下、関東で1/3程度、ほとんどの都道府県で半分前後と少なくなりました。
エリアで見ると、ゲリラ豪雨は東日本で比較的多く、最も多かったのは愛知県の232回、次いで栃木県で223回でした。いずれの県も寒気の影響を受けたり、湿った空気が流れ込みやすかった8月に集中して発生しました。
エリアで見ると、ゲリラ豪雨は東日本で比較的多く、最も多かったのは愛知県の232回、次いで栃木県で223回でした。いずれの県も寒気の影響を受けたり、湿った空気が流れ込みやすかった8月に集中して発生しました。
8月に集中発生、寒気+湿った空気が影響
月別に見ると、全国のゲリラ豪雨の発生回数は7月435回、8月2,685回、9月381回と8月にピークを迎え、夏休みの真っ只中を襲う形となりました。今夏は強い高気圧に覆われた日が多く、雨雲が発達しにくい状況が続きましたが、8月は上空に度々強い寒気が通過。積乱雲が発生・発達しやすい状況となったことで、西・東日本の各地でゲリラ豪雨が発生し、特に、湿った空気が流れ込んだ太平洋側の山沿い地域で多く発生しました。
7月は“ダブル高気圧”、9月は秋雨前線が発生を抑制
今夏は、チベット高気圧と太平洋高気圧が張り出して上空で重なる“ダブル高気圧”が日本を覆ったことが特徴です。これにより、各地で記録的な猛暑となったほか、全国的にゲリラ豪雨が発生しにくい気 象条件となりました。
“ダブル高気圧”に覆われると、上空の高い所から下降気流が発生して雲の発達が抑制され、ゲリラ豪雨が発達しにくい状況となります。7月はより強い高気圧に覆われたため、ゲリラ豪雨の発生が少なくなりました。
8月も引き続き高気圧に覆われましたが、上空の寒気の影響でゲリラ豪雨が7月や9月と比較して多くなりました。
9月は秋雨前線や低気圧が度々通過した上に、台風21号や24号による影響を受けた日もあり、スッキリしない天気が続きました。季節の移り変わりとともに、ゲリラ豪雨の発生回数が減少し、ゲリラ豪雨シーズンの終了を迎えました。
“ダブル高気圧”に覆われると、上空の高い所から下降気流が発生して雲の発達が抑制され、ゲリラ豪雨が発達しにくい状況となります。7月はより強い高気圧に覆われたため、ゲリラ豪雨の発生が少なくなりました。
8月も引き続き高気圧に覆われましたが、上空の寒気の影響でゲリラ豪雨が7月や9月と比較して多くなりました。
9月は秋雨前線や低気圧が度々通過した上に、台風21号や24号による影響を受けた日もあり、スッキリしない天気が続きました。季節の移り変わりとともに、ゲリラ豪雨の発生回数が減少し、ゲリラ豪雨シーズンの終了を迎えました。
数は少なくとも社会的影響は大
しかし、ゲリラ豪雨による影響がなかったわけではありません。関東は帰宅時間帯に激しい雷雨に見舞われたのが印象的です。
関東での事例をあげると、8月27日(月)は夜にかけて 1 万回近い雷があり、東京都や埼玉県を中心に停電が相次ぎました。
また、東京都世田谷区付近では、レーダーによる解析で21時までの1時間に約110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁から記録的短時間大雨情報が発表されました。都内の主要幹線である環状8号線でも大規模な冠水が発生、一部鉄道では停電により遅れや運転見合わせが発生し、帰宅の足を直撃しました。
関東での事例をあげると、8月27日(月)は夜にかけて 1 万回近い雷があり、東京都や埼玉県を中心に停電が相次ぎました。
また、東京都世田谷区付近では、レーダーによる解析で21時までの1時間に約110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁から記録的短時間大雨情報が発表されました。都内の主要幹線である環状8号線でも大規模な冠水が発生、一部鉄道では停電により遅れや運転見合わせが発生し、帰宅の足を直撃しました。
また、9月には17日(月)、18日(火)と2日連続で夕方以降に雷雨となり、18日(火)は東京のアメダスでも19時50分までの1時間に38.5 ミリの雨を観測しました。1時間に30ミリ以上の雨を観測したのは約2年ぶりのことです(2016年8月20日: 47.5 ミリ)。
2人に1人はゲリラ豪雨で生活に影響
10月3日〜8日にスマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」を通じて、2018年のゲリラ雷雨を振り返る調査を実施し、全国11,307人の方々から回答をいただきました。
“ゲリラ雷雨に遭遇した”と回答した方に、「ゲリラ雷雨で起きた被害は?」と質問したところ、約2人に1人(46.7%)が何かしらの被害にあったことが判明。
都道府県別に見ると、被害にあった割合は1位が栃木県(60.9%)、2位が埼玉県(58.9%)、3位が群馬県(56.8%)と、遭遇率と同様にTOP3 を関東が占める結果となりました。
また、被害を受けた方(※)に具体的な内容を伺ったところ、2人に1人は“交通機関に影響(50.9%)”や“道路冠水 (50.5%)”を体験しており、また5人に1人は“停電(21.8%)”の被害があったようです。
ゲリラ雷雨の遭遇率と被害率の高い関東に注目し、それぞれの都県で最も回答の多かった被害をみると、“道路冠水” だったのが群馬県(71.6%)、茨城県(59.0%)、千葉県(57.0%)、埼玉県(55.6%)、栃木県(54.3%)、一方、神奈川県や東京都は“交通機関に影響”が多く、それぞれ64.4%、61.9%を占めていました。当該地域は電車やバスなど公共交通機関を主な移動手段としている人が多く、また、今夏はゲリラ豪雨が帰宅時間帯を直撃したため、影響を受けた方が多いの かもしれません。
※被害を受けた方:“ゲリラ雷雨に遭遇した”の回答から“被害なし”の回答を除く
シーズンを通してみると、発生回数は少なかったものの、社会的影響の大きなゲリラ豪雨が発生した年となりました。
“ゲリラ雷雨に遭遇した”と回答した方に、「ゲリラ雷雨で起きた被害は?」と質問したところ、約2人に1人(46.7%)が何かしらの被害にあったことが判明。
都道府県別に見ると、被害にあった割合は1位が栃木県(60.9%)、2位が埼玉県(58.9%)、3位が群馬県(56.8%)と、遭遇率と同様にTOP3 を関東が占める結果となりました。
また、被害を受けた方(※)に具体的な内容を伺ったところ、2人に1人は“交通機関に影響(50.9%)”や“道路冠水 (50.5%)”を体験しており、また5人に1人は“停電(21.8%)”の被害があったようです。
ゲリラ雷雨の遭遇率と被害率の高い関東に注目し、それぞれの都県で最も回答の多かった被害をみると、“道路冠水” だったのが群馬県(71.6%)、茨城県(59.0%)、千葉県(57.0%)、埼玉県(55.6%)、栃木県(54.3%)、一方、神奈川県や東京都は“交通機関に影響”が多く、それぞれ64.4%、61.9%を占めていました。当該地域は電車やバスなど公共交通機関を主な移動手段としている人が多く、また、今夏はゲリラ豪雨が帰宅時間帯を直撃したため、影響を受けた方が多いの かもしれません。
※被害を受けた方:“ゲリラ雷雨に遭遇した”の回答から“被害なし”の回答を除く
シーズンを通してみると、発生回数は少なかったものの、社会的影響の大きなゲリラ豪雨が発生した年となりました。