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感染者が5年ぶりに1000人超、風疹はなぜ怖い?

2018/10/20 10:59 ウェザーニュース

今年の風疹患者が10月7日までに1103人にのぼりました。1000人を超えたのは、大流行した2013年以来5年ぶりのことです。ワクチン接種をしていなかったり、接種歴がはっきりしない人(30〜50代男性に多い)に抗体検査やワクチン接種が呼びかけられていますが、風疹はなぜ怖いのでしょうか?

先天性風疹症候群

前回の風疹大流行は、ピークの2013年(約1万4000人)を中心とした2011〜2014年の3年間で、患者数は1万7429人に達しました。

風疹は発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出て3〜5日ほどで消えます。はしか(麻しん)に似ていますが、短い期間で治るため三日はしかとも呼ばれています。

しかし、妊娠20週までの妊婦が感染すると、胎児が先天性風疹症候群にかかることがあります。前回の流行では、45人の新生児の先天性風疹症候群の届け出がありました。

難聴、心疾患、白内障が三大症状

その45例を国立感染症研究所が詳しく調査しました。45人のうち43人が生後3ヵ月までに先天性風疹症候群と診断されましたが、1人は9ヵ月で親が白内障に気づき、もう1人は13ヵ月で親が難聴に気づいて先天性風疹症候群と診断されました。
45人にあらわれた症状(重複あり)は、難聴が30人、先天性心疾患が26人、白内障が7人で、この3つが三大症状と言われます。ほかに、血小板減少症(33人)、紫斑(21人)、肝肥大(14人)、小頭症(7人)、小眼球症(2人)などが報告されています。

また、先天性風疹症候群で生まれてきた45人のうち、10人が生後6ヵ月までに亡くなり、1人が生後18ヵ月で亡くなっています。

主な感染ルートは職場と家族

2013年に厚生労働省が、20〜60歳の女性風疹患者2515人にアンケート調査をしたところ、感染原因・感染経路に心当たりがあったのは588人でした。内容は、職場関連(同僚からの感染、職場で風疹患者と接触、職場での集団発生)が207人、家族(夫・こども)が197人でした。職場と家族が2大感染ルートと言えます。

今回の風疹で先天性風疹症候群の報告はありませんが、今後の動向が懸念されています。風疹の感染力はインフルエンザの3倍強いと言われていますが、風疹の抗体(抵抗力)がある人は風疹にかかりません。厚生労働省は、妊娠する可能性がある女性だけでなく、女性の家族や職場の同僚も抗体検査を受け、抗体が不十分ならワクチン接種を推奨しています(※妊娠中はワクチンを打てません)。

すっかり気温も下がって過ごしやすい気候になりましたが、外出する機会が増えると感染の機会も増えます。特に妊婦さんがいる家庭は風疹の感染予防に協力してください。