天候に大きく左右されるマツタケ生育
マツタケ栽培に詳しい長野県林業総合センターの古川仁・特産部長に生育条件について話を伺いました。
「マツタケの豊凶は、その年の秋の地温と降水量などに大きく影響されます。山の標高や気象環境によって生育条件は異なりますが、一般的には地温が15~19℃になるとマツタケ菌糸の原基(芽)が形成され、順調に発育を始めます。
一定量の雨も必要で、地元の生産者によると、秋雨前線のシトシトした雨により地面が常に濡れて湿り気がある状態だと豊作になりやすいようです。かといって、雨が降り過ぎてもダメで、適度な乾燥も必要です。また地温が15~19℃に下がってから暑さがぶり返すと、原基が死滅することがあり、その微妙なバランスがむずかしいのです」
「マツタケの豊凶は、その年の秋の地温と降水量などに大きく影響されます。山の標高や気象環境によって生育条件は異なりますが、一般的には地温が15~19℃になるとマツタケ菌糸の原基(芽)が形成され、順調に発育を始めます。
一定量の雨も必要で、地元の生産者によると、秋雨前線のシトシトした雨により地面が常に濡れて湿り気がある状態だと豊作になりやすいようです。かといって、雨が降り過ぎてもダメで、適度な乾燥も必要です。また地温が15~19℃に下がってから暑さがぶり返すと、原基が死滅することがあり、その微妙なバランスがむずかしいのです」
今夏の猛暑の影響は?
今年は夏の猛暑の影響が心配されましたが、生産者によれば、過去には夏の高温を経て豊作になった年もあり、地中の菌にはさほどの影響はなかったようです。気温が高いと虫食いが発生しやすいのです。今年は9月に入って気温が低めに推移したため、顕著な虫食いの被害もなかったそうです。
「お盆過ぎから降水量が多く、暑さの戻りもなく、なだらかに気温が低下していったことなど、今年はマツタケ生育の好条件が重なったといえます」(古川さん)
「お盆過ぎから降水量が多く、暑さの戻りもなく、なだらかに気温が低下していったことなど、今年はマツタケ生育の好条件が重なったといえます」(古川さん)
今年は集荷量が多く価格は安め
駒ヶ根市のJA上伊那東伊那支所では9月24日にマツタケ集荷が始まりました。
営農経済部の岡田直也さんは「初日で昨年1年分を超える出荷量になりました。10月9日までに1400kgを出荷し、平年の約2倍です。価格は等級によって異なりますが、1kgあたり1万2000円から上等なものは4万円と、昨年よりは安くなりました」と話します。
営農経済部の岡田直也さんは「初日で昨年1年分を超える出荷量になりました。10月9日までに1400kgを出荷し、平年の約2倍です。価格は等級によって異なりますが、1kgあたり1万2000円から上等なものは4万円と、昨年よりは安くなりました」と話します。
適度な気温と雨に恵まれて生育が順調に進んだマツタケ。素材そのままを味わえる焼きマツタケ、マツタケご飯や土瓶蒸しなど「秋の味覚の王様」でプチ贅沢してみませんか?