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台風による植物の塩害対策とアフターケア

2018/10/06 11:46 ウェザーニュース

先日の台風24号では、強風によって建物などに被害が出ました。それだけでなく、海水の塩分を含んだ暴風により塩害が発生して、街路樹や家庭の植木、植木鉢に植えた植物まで葉が縮れる、茶色くなる、落葉する、枯れるなどの影響も見られました。

今後も台風が接近する可能性があります。そこで、植物の塩害対策を、農業組合法人川口市花き生産組合の組合長、結城実さんに伺いました。

植物にとってはわずかな塩分でも大敵

「植物が塩分を含んだ風にあおられると、表面に塩分がついて葉や枝を枯らしますし、塩分の入った雨水が土に浸透すると、土の塩分濃度が上がり、浸透圧の関係で植物は水分を吸収しにくくなるのです。昔は雑草を枯らすのに塩を用いることがあったぐらい、塩分は植物にとっては大敵なのです。今回の台風の塩害は海から離れた場所でも起こっていて、私たちも大忙しでした」(結城さん)
2018年10月2日 6,432人
ウェザーニュースの調査でも、台風24号の塩害は沿岸部に限らず東京西部や埼玉など内陸部でも発生していました。

塩害にあったら、すぐに水をかけて洗う!

塩害を受けたらどうすればよいのでしょうか?

「台風が去ったらすぐに草木の表面についた塩分を真水で洗います。植物についた塩分をとにかく早く落とすことがポイントです。被害にあった葉や芽が茶色っぽくなってしまうことがあります。この場合は水をかけても元には戻りません。

下の方にまだ緑色が残っていればその部分を残し、茶色になった部分から先を切ってください。脇芽が出る植物であれば、それを待ちます。また、大量に水や肥料を与えるとかえって逆効果になるので、静かに回復を待ちましょう」(結城さん)

事前対策は風雨になるべくあてないこと

大事にしている植物が塩害を受けないようにするにはどうすればよいのでしょうか。

「鉢植えなら台風前に風雨の当たらないところに移動させ、大きなものは固定しておきます。台風というと風を気にすることが多いですが、塩分を含んだ雨が鉢の土に入ることも良くないので、雨も吹き込まない場所、できれば室内がベストです」(結城さん)

現在、台風25号が九州北部に接近中です。日本海を北東進するため、進路や風向の関係から24号ほどの塩害被害はないとみられます。ただ、強い雨風による被害は想定されるため、引き続き最新情報を確認してください。

台風は事前に予測ができます。大事な植物を枯らさないように、対応策をとるようにしましょう。
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