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風速30m/s超で停電リスク 台風24号接近で電力会社の対策は

2018/09/29 20:17 ウェザーニュース

台風24号は非常に強い勢力を保ったまま西日本に接近・上陸、さらに本州を縦断する可能性が高まっています。

勢力は21号とほぼ同じで、速度はやや速いことから、周辺での暴風も21号と同レベル、場所によってはそれ以上の恐れがあります。

ビッグデータで導いた停電と風速の関係

9月4日は近畿地方や東海地方を中心に、200万軒を超える大規模停電が発生しました(関西電力管内で約160万軒(4日17時時点)、中部電力管内で約70万戸(4日18時時点))。

当時ウェザーニュースに寄せられた7,000通を超える停電報告と、風の観測データを重ね合わせたところ、停電は台風の経路の東側に集中しており、特に最大瞬間風速30m/sを超えたところで多く発生していることがわかりました

台風24号も強い勢力を保ったまま関西〜東海地方を襲うことが予想され、関西電力は停電に備えています。

台風21号では全面復旧に16日

台風21合で停電した信号と室内
関西電力送配電カンパニー総務部によると、「台風21号では9月4日に大規模な停電が発生しました。看板などが風で飛ばされ電線に接触したり、約1400本の電柱が折損したことが主な原因です。全面復旧したのは9月20日です」

1995年の阪神・淡路大震災では約260万戸が停電しましたが、1週間後に復旧しました。今回復旧まで16日間と長引いたのは、停電が大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山、福井、三重、の2府6県の広範囲にわたったためです。

台風24号の接近が予想されることにより、関西電力は停電した際の早期復旧に備えて、「協力会社も含め約12,000名の復旧体制を構築するなど、復旧作業の人員と車両、復旧資材を準備している」と言います。

「停電情報公開サービス」も増強

関西電力はホームページで停電している地域を公開していますが、台風21号では非常に多くの停電が発生したため更新が止まってしまいました。

「今回はサーバーの増強や、ソフトウェアの一部改修などを行っており、台風21号と同規模の停電が発生しても問題なく公開できると考えています」(関西電力送配電カンパニー総務部)

一般家庭にも対策を呼びかけ

関西電力は、台風21号の際、トタン屋根や看板、ブルーシート、テレビのアンテナなどが強風で飛散し、電柱や電線に接触して停電が発生したことを受け、飛散防止や感電事故防止など、一般家庭へも台風24号への事前準備を呼びかけています。

台風24号は駆け足で日本列島を縦断するという予想ですが、強風による被害は21号と同レベルかそれ以上になる可能性もあります。けっして油断しないで厳重な警戒を心がけましょう。

参考資料など

停電情報公開サービス:関西電力HP https://www.kepco.co.jp/energy_supply/supply/teiden-info