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北海道で震度7 2つの島が合体した北海道、東西から押し合う力が働いたか

2018/09/06 17:38 ウェザーニュース

9月6日(木)3時08分頃に発生した最大震度7の北海道地震。被害の全容はまだ明らかにはなっていませんが、どのようなメカニズムで今回の地震が発生したのか、元東京大学地震研究所の都司嘉宣(つじ・よしのぶ)さんに聞きました。

2つの島は石狩平野で結ばれた

「北海道はもともと2つの島でしたが、合体して今の姿になったと私は考えています。札幌と苫小牧を結ぶ線を境にして東の島と西の島が合体したのです。合体してつながった部分は今の石狩平野で、石狩平野を挟んで東と西では地質学的にも違いが見られます。」

と、都司さんは前置きした上で、

「東西の2つの島が合体したのですから、今も東西から押し合う力が働いていると考えるのが自然です。気象庁の発表では、今回の地震は東北東-西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、震源は石狩低地東縁断層帯の付近とみられていますが、単なる断層ではなくて2つの島の境界線と思われます。」とお話になりました。

千島海溝巨大地震との関連は?

都司さんの専門は歴史地震で、古文書やアイヌの口承、地震の痕跡などを過去に起こった地震の姿を明らかにする学問です。今回の地震の震源付近で類似の地震は起こっているのでしょうか?

「私の知る限り、この地域では初めての地震です。北海道の150年ほどの間、地震記録も残されていませんし、先住民のアイヌの口承にもありませんでした。しかし、この付近で類似の地震は起こっているはずです。」

2017年12月、政府の地震調査委員会が、北海道の千島海溝を震源とするM8.8以上の巨大地震の「切迫性が高い」と発表しました。20m以上の大津波が北海道東部の沿岸を襲うというのです。今回の地震と関連はあるのでしょうか。

「今回の地震はM6.7、千島海溝の地震がM8.0としても、地震の規模では100倍の差があるので、今回の地震が千島海溝の地震を誘発することはないでしょう。しかし、断層のひずみが溜まっていれば、海溝のひずみも溜まると考えれば、今回の地震が千島海溝巨大地震の先駆けの可能性はあります。」


今回の地震は今後1週間程度最大震度6強程度の揺れが発生する可能性があるので警戒が必要ですが、千島海溝の巨大地震についても具体的な対策を準備する必要があります。

>>北海道地震特設サイト