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甚大な被害をもたらした台風21号 もし東京に来ていたら

2018/09/05 19:00 ウェザーニュース

9月4日(火)から5日(水)にかけて、近畿エリアを中心に暴風雨や高潮による甚大な被害をもたらした台風21号。関東エリアでは、暴風による交通機関への影響はあったものの、近畿ほどの甚大な被害は幸いにもありませんでした。
しかし、ほんの4日前までは関東を直撃する可能性があったんです…。

羽田空港が一部浸水した可能性も

今回、特にショッキングだったのは関西空港への影響ではないでしょうか。
当時の関西空港周辺では、非常に強い台風21号の吸い上げ効果に加え満潮時刻と重なったため、甚大な浸水被害が発生しました。
では、羽田空港に直撃した場合はどうだったのか、国交省発表の東京湾の浸水想定を見てみます。
今回の台風21号より2ランク上の伊勢湾台風が来た想定で、一部で浸水被害が発生するとしています。
神戸港同様に過去最大潮位3mとなった場合、関西空港ほど大規模ではないものの、一部が浸水し離発着便に影響が出ていた可能性があります。

最大350万軒が停電した恐れ

さらにもう一つ大きな影響に広域停電がありました。

関東に直撃した台風で過去最大級だった1979年20号、1985年6号。(前回の台風20号に匹敵)これらと同レベルの台風が関東に直撃すると、神奈川県、千葉県の大部分と東京23区の一部で30〜35m/sの南〜南西の最大瞬間風速を観測すると考えられます。
9月4日(火)に実施したウェザーニュースタッチ内の調査によると、台風通過中に風速が35m/sを超えると停電が発生していたことが判明。実際に停電世帯数は218万軒(関西電力)で、影響が大きかった大阪、兵庫、和歌山の合計世帯数の約30%でした。
同様に考えると、東京、千葉、神奈川の3都県でおよそ300〜350万軒が停電する可能性があります。もし台風の勢力が21号並なら、茨城や埼玉まで拡大し、さらに増える可能性は十分に考えられます。
台風21号は太平洋高気圧の勢力がやや強まった分だけ、西よりのコースを進み、四国から近畿を直撃しました。高気圧の勢力次第では関東を直撃した可能性も十分に考えられます。

また、非常に強い台風の上陸は25年ぶりだったが、気候変動に伴ってこのような台風の上陸が増えるという予測も。関東エリアでも同じような被害は想定しておくべきです。