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秋を表す「Fall」と「Autumn」の違いは?

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2018/09/12 09:19 ウェザーニュース

秋を表す英語には、「Fall」(フォール)と「Autumn」(オータム)の2種類があります。

これは、アメリカ英語「Fall」かイギリス英語「Autumn」かというシンプルな違いなのですが、元々は両国とも同じ言葉が使われていたようです。

かつては「Harvest」と呼んでいた

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話は5世紀頃まで遡ります。この頃ヨーロッパの方では、9〜11月頃の季節…今で言う「秋」の季節のことを「Harvest」(ハーベスト)と呼んでいたんだそうです。harvestはもともと「集める」の意味で、「実になったものを集める」ということから「収穫」となり、その季節が秋であるので「秋」という意味で用いられるようになったようです。

イギリスでは「Autumn」が主流に

16世紀頃になると、多くの人々が街に住むようになり、農業から遠ざかったため、秋が収穫と結びつきにくくなったのではないかと言われています。
その代わりに、上流階級や知識人が使っていた、ラテン語のautumnus「増大の(季節)」が起源の「Autumn」や「落ち葉」由来の「fall」が徐々に用いられるようになったようです。
しかし19世紀半ばまでにはfall はだんだん使われなくなり、現代のイギリスではautumnが主に使われています。

「Fall」は人々と共にアメリカへ

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一方、アメリカでは、「fall of leaves」に由来する「fall」が主に使われています。
これは17世紀初めのころイギリスからアメリカへ入植した人々がfallを使う地方の人たちで、それがそのままアメリカに根づいていったのです。しかしアメリカでも「秋風」のautumn breezeのような表現はわざわざfallになおさずにそのまま使われています。
autumnのほうがより詩的で文語的な感じがするそうです。このように文脈によってはautumnが好まれる場合もあるようです。

現在では、ニュースや文語などフォーマルな場面で「Autumn」、日常会話などのカジュアルな場面で「Fall」が使用される事が多いようです。
世界でも、季節の移ろいから言葉が生まれて来ているようですね。

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