facebook line twitter mail

例年になく攻撃的なスズメバチ、遭遇したときの対処法

2018/09/08 11:07 ウェザーニュース

都市部のキイロスズメバチが巣を大きくしており、そのため例年になく攻撃的になっていると、ハチの生態に詳しい九州大学准教授の上野高敏先生は警鐘を鳴らしています。では、スズメバチに遭遇したり、その巣を見つけた場合にはどう対処したらいいのでしょうか。

ハチに襲われないために

「もともと、ハチはやたらと攻撃するわけではありません。ハチが攻撃してくるのは、自分たちの巣や、その中にいる女王バチや幼虫が危険だと感じたときです。ですから彼らがそういった危険を感じないように対処すればよいのです」(上野先生)

では、どう対処すればハチに安心してもらえるのでしょうか。

「まず巣を発見しても基本的には放っておいてください。ハチは巣に近づかれることで危険を感知するからです。ただし、どうしても近づかなければならないような場所、例えば家の軒下や通学路の街路樹などに巣があった場合は、自分で処理しようとせずに、専門の業者に頼んでください」(上野先生)

とにかく巣に近づかないことが大原則なのですね。しかし、こちらが気づかずに巣に近づいてしまうこともあります。ハチの方が先に気づき、攻撃をしかけてくるかもしれません。

ハチと遭遇してしまったときは

「その場合でも『近づかない』の原則が大切です。ハチは敵を見つけたとき、まずは警告行動を取る場合と、いきなり攻撃してくる場合があります。敵の周囲を飛び回る、敵の方を向いてじっと静止するなどの警告をしてきた場合には、ゆっくり後ずさって距離をとりましょう。もと来た道に戻れば巣から離れられるはずです。

いざ攻撃を仕掛けられた場合は有効な対策はありませんので、とにかく走って逃げてください。服や体にハチがとまったら必ず刺されてしまうので、即座に叩き落としてひたすら逃げることに徹してください。また、逃げるときには極力身を低くしましょう。ハチはある程度高いところにあるものに反応しやすい性質があるため、身を低くするとハチの警戒範囲から逃れやすくなります」(上野先生)

これから11月ごろまでがスズメバチの活動期です。遭遇しても、とにかく「近づかない」という原則を忘れず、冷静に行動しましょう。