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【西日本豪雨】危ない土壌はマサ土(ど)だけではない!

2018/09/05 10:59 ウェザーニュース

7月の西日本豪雨では、花崗岩が風化して砂状になったマサ土と直径1〜2mの花崗岩(コアストーン)が各地で土石流を引き起こしました。4年前に広島市北部の住宅街を土石流が襲い関連死を含めて77人が犠牲になったのもマサ土によるものでした。しかし、危ない土壌はマサ土だけではないのです。

マサ土など7種類の特殊土壌

花崗岩が風化したマサ土は粒が細かく、雨水で容易に侵食を受けるため、大雨が降ると大規模な土砂災害を起こしやすいのです。また、砂分が多く水によって遠くまで運ばれるため床上・床下浸水ではマサ土の掻き出しに苦労することになります。
マサ土のように土砂災害を受けやすい土壌は「特殊土壌」と呼ばれ、他にシラス/ボラ/コラ/赤ホヤ/ヨナ/富士マサと7種類の「特殊土壌」があります。火山噴出物、あるいは花崗岩風化土で、災害が発生しやすく、農業生産力が低いとされ、その特殊土壌におおわれた地域は「特殊土壌地帯」に指定されています。
特殊土壌地帯は静岡県北東部を除いて、中国・四国・九州に集中しています。いずれも台風や豪雨で土砂災害などが起こりやすい地域で、「特殊土壌地帯」の面積は約5万8000km2(国土の15%)、人口は約1300万人(総人口の10%)に及びます。

60年以上前から特殊土壌地帯対策

こうした特殊土壌地帯に対して、国は60年以上前から対策を打ってきました。「特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法(特土法)」(5年間の時限法)を1952年に制定し、5年ごとに期限延長を行ってきたのです。

具体的には、かんがい・排水といった農地改良事業、それに河川改修、砂防ダムの建設、森林保全など災害防除事業になります。現在、第14次の事業(2017〜21年)が行われています。

「1990年代には5年間で2兆4000億円前後の事業費にのぼりましたが、現在は5年で9000億円前後。金額は減りましたが、治山・河川改修・砂防など災害防除事業が8割を占めています」(農林水産省地域振興課)

特殊土壌地帯での河川改修や砂防ダムにより被害は軽減されましたが、7月の西日本豪雨のように「いままで経験したことがない」ような降雨があれば土砂災害や河川の氾濫が起こります。自分が暮らしている地域が特殊土壌地帯であれば、台風や豪雨時には気象情報や特別警報などに注意を払い、早めの避難を心がけたいものです。