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非常用持ち出し袋に入れるべき食品リスト

2018/09/01 11:04 ウェザーニュース

防災の日が9月1日に決まったのは、1923年の関東大震災が9月1日だったことに加え、台風が多い時期でもあるからと言われています。実際に被災した場合を考えたとき、非常食には何が良いのでしょうか。

発酵学の第一人者で食文化論者の小泉武夫先生(東京農業大学名誉教授)に聞きました。

最低限の栄養を摂取するために

「現代の日本では、どこで被災しても数日で救援物資が届きます。東京のような人口密集地で大規模な災害が起こったとしても、10日くらいでライフラインが復旧し救援物資が届くと予想されますので、その間家族が食べていける最小限の食べものを用意しておけば良いでしょう」(小泉先生)

では最低限の栄養を摂取するためには、非常用持ち出し袋に何を入れておけば良いのでしょうか。

非常用持ち出し袋に入れるべきものは食品だけではありません。それも踏まえ、荷物を極力コンパクトに抑え、最低限入れておくべき食品は以下のようになると小泉先生は言います。

非常用持ち出し袋に入れるべき食品リスト17

【水】
飲料水は、大型ペットボトル入りのミネラルウォーターなどを用意しておきましょう。

【塩】
200gくらいの小袋で十分です。食べものの味付けに使うほか、脱水状態から命を守る生理食塩水(0.9%の塩水:1リットルの真水に9gの食塩を混ぜる)を作るのに使います。

【乾パン、ビスケット類】
急場の炭水化物摂取に欠かせません。

【缶詰】
平たくてかさばらない魚の缶詰を用意しましょう。味付けしたサンマやイワシが最適です。好みでサバの水煮や味噌煮、サンマの蒲焼もいいでしょう。

【鰹節】
活力源になります。丸ごと節のままの状態で、一家に3本は用意したいものです。関東大震災の折、女優の沢村貞子さんは鰹節1本をかじって生きのびたといいます。

【レトルトパックのご飯】
手軽に摂取できる炭水化物です。

【のりの佃煮かふりかけ】
食欲増進に欠かせません。

【インスタント味噌汁】
インスタント味噌汁(粉末、生味噌)は一家に10食入り一袋あれば、タンパク質の補給、食欲増進、精神の安定に役立ちます。

【梅干】
精神の安定に有効です。一ビンあれば何年でも持ちます。乾燥梅干も役立ちます。

【醤油】
ごくミニサイズの容器入りが市販されています。塩があればいいのですが、醤油もあるにこしたことはありません。

【レトルト食品】
カレーやシチュー。タンパク質や脂質、炭水化物の摂取に。

【魚肉ソーセージ】
タンパク質と脂質の摂取に。開封しなければ3年は持ちます。

【高野豆腐】
手軽なタンパク源、栄養源、活力源になります。

【脱脂粉乳】
保育用。赤ちゃんのいる家庭には欠かせません。

【菓子類(羊羹、アーモンド入りチョコレートなど)】
羊羹は糖質とタンパク質の摂取に、アーモンド入りチョコレートは糖質と炭水化物、脂質の補給に役立ちます。

【乾燥納豆】
タンパク源及び整腸剤になります。

【するめ】
タンパク質とアミノ酸の塊で、臓器を強くして活力を生み出すタウリンも多く含んでいます。

なお、これは食品だけをリストアップしたもので、薬や懐中電灯やラジオなど、生活必需品は除外しています。持ち出し袋の容量も限られているので、定期的に家族内で相談して、非常用持ち出し袋の中身を整理するようにしましょう。

小泉先生の食品リストをぜひ、参考にしてください。品目数は多いように感じますが、それぞれの食品を小さなパックに詰めるなどして工夫をすれば良いでしょう。準備しておいた食品が古くなれば、日常生活で食べるなどして、定期的に中身を交換することをおススメします。