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雨の日の強い味方「とんでもなく水をはじく風呂敷」とは

2018/08/23 13:52 ウェザーニュース

最近、突然襲ってくるゲリラ豪雨や、傘も役に立たないような局地的な激しい雨が多くなりましたね。そんな、雨の日のお悩み解消に役立ちそうな強い味方があります。「水をはじく風呂敷」です。どんなものでしょうか。

50回洗濯しても持続する驚異の撥水力

風呂敷といえば、物を包んだり、持ち運んだり、日よけや埃よけにかぶせたりと、便利に使える昔ながらの日用品です。最近、出番が減ったと思っていたら、いろいろ進化をしていたようです。

その進化の一つが、「超撥水」(ちょうはっすい)という技術を応用したもの。撥水とは水をはじくこと、つまり、布なのに水を吸収せずにはじいてしまう風呂敷というわけです。

開発したのは群馬県の朝倉染布(あさくらせんぷ)という会社。創業明治25年という老舗の染色加工業です。この技術がいかにすごいかって、ただの「撥水」ではなく、「超撥水」なのです。
「超撥水」加工された布
「超撥水」とは、「水滴が面に対しておおよそ150°を超える接触角で接する現象」という専門的な難しい話は置いておいて、要するに、とんでもなく水をはじく、ということです。

水をはじくことと水を通さないことの決定的な違いは空気を通すか通さないか。なので、水ははじくけど、空気は通り抜けるので、ビニールのように蒸れたり、結露したりしないわけです。

布製品で、この「超撥水」を実現したのは同社が初。その技術は、競泳の水着にも使われているそうです。

さらにすごいのはここから。普通の布でも、撥水スプレーを使えば水をはじくことはできますが、1回洗濯すれば撥水力は失われます。その点、水をはじく風呂敷は、50回の洗濯にも耐えるというのです。

急な雨対策や荷物の濡れ防止に便利

超撥水技術は40年近く前に開発したものでしたが、その技術を転用して水をはじく風呂敷が完成したのは2006年。「ながれ」と命名されました。

当初は、用途を特定しないでとりあえず出来上がった製品を売り出したのですが、利用した人から「雨の日に便利」という声が多く寄せられたそうです。

たとえば、ちょっとした雨よけに使える、というものです。折り畳み傘や雨合羽は、雨の季節ならいいけれど、どうしてもかさばるし重量もそれなりにあるので1年中持ち歩けるわけではありません。

その点、水をはじく風呂敷なら、コンパクトにたたんでいつでもバックに忍ばせておけて、普段は、本来の風呂敷用途として使えるわけです。その他、利用者から寄せられたのは次のような利用法です。
・傘をさして歩くとき、バックなど持ち物が濡れないためのカバーとして。
・玄関から駐車場に移動するときなど、いちいち傘を広げるのが面倒なシチュエーションのとき。
・自転車のカゴに入れた荷物の雨よけとして。
・散歩など手荷物を持ちたくないときの携帯用として。
・行楽のとき濡れた衣類などを包む。

生地は通常の平織りや、やわらかい風合いのちりめん、丈夫なアムンゼンなど各種。サイズも通常の70cm、96cmサイズから、それを超える大判サイズまで。価格は3000円~(冒頭の写真は「マリンボーダー」平織96cm)。

参考資料など

超撥水風呂敷『ながれ』/http://www.nagare-furoshiki.com/index.html