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熱中症と間違えやすい「夏血栓」、手遅れで命の危険も

2018/08/28 04:37 ウェザーニュース

猛暑のこの時期、戸外で「めまい」や「ふらつき」などを感じると、熱中症を疑う人が多いと思います。しかし、熱中症と似た症状が出る夏血栓(なつけっせん)があります。手遅れになると命の危険もある夏血栓とはどのような病気なのでしょうか。

血栓が血管に詰まると…

「夏血栓とは、血栓(血の固まり)が血管に詰まって起こる病気の総称です。正式な病名ではありませんが、夏は汗をかくことで体から水分が奪われ、血液がドロドロになって血栓ができやすくなり、さまざまな病気を引き起こすのです」と語るのは、横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長です。
夏血栓が引き起こす病気とは、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、それに脳梗塞の前触れの一過性脳虚血発作です。いずれも命に関わる怖い病気です。

脳梗塞の前触れかもしれない

「一過性脳虚血発作の場合、血栓が脳血管に一時的に詰まりますが、5分から10分ほどで血栓が流れて回復します。めまいやふらつきがあり、意識がボーッとするので熱中症を疑い、涼しい場所で休んでいると症状が消えるので熱中症が治ったと安心しますが、それが落とし穴になります」(吉田院長)

一過性脳虚血発作は、3ヵ月以内に15〜20%の人が脳梗塞を発症しますが、その半数は2日以内に発症しています。まさに脳梗塞の前触れなのです。
国立循環器病研究センターの統計によると、脳梗塞は季節別にみて夏(6・7・8月)の発症が一番多くなっています。

水分補給が夏血栓の予防にも

血栓が心臓の冠動脈に詰まれば心筋梗塞(胸の痛み)、肺の動脈に詰まれば肺塞栓症(呼吸困難)を引き起こします。

「血栓症は、発症後数時間以内に血栓を溶かす薬を投与すれば治りますが、手遅れになると亡くなることもあります。今年は熱中症の疑いで救急搬送された人が急増していますが、実は夏血栓で運ばれた人も少なくないと考えられます」(吉田院長)

では、夏血栓を予防するにはどうしたらよいのでしょうか。

「汗をかいて血液が濃くなることで血栓ができやすくなるのですから、夏血栓の予防は熱中症と同じく水分と塩分を補給することです」(吉田院長)

立秋を過ぎても猛暑が続きます。めまいやふらつき、一時的な意識障害といった症状が出たら、熱中症と決め付けずに夏血栓の可能性もあります。おかしいと思ったら、ためらわずに医療機関で診てもらってください。