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異常現象が続出! この夏は世界中が暑い!

2018/08/18 11:42 ウェザーニュース

2018年は5年ぶりに最高気温(熊谷市、7月23日=41.1℃)を更新しましたが、暑いのは日本だけではありません。今年の夏は世界的にも暑いのです。この暑さの原因は、北半球での高気圧にあると言われています。

「世界一暑い場所」で52℃

米国カリフォルニア州のロサンゼルス近郊のチノでは7月7日、48.9℃に達しました。同州の「世界一暑い場所」として知られるデスバレーでも8日に52℃を記録。7月下旬にも最高気温が52℃の日が4日間連続して記録されるなど7月は高温が続き、月間平均気温が42.3℃と、世界の観測史上最も高い記録となりました。

高温と少雨の影響で、カリフォルニア州では州史上最大規模の山火事が発生しています。
アフリカのアルジェリアではサハラ砂漠で7月に51.3℃を記録。また、欧州でも8月4日にはポルトガル南部のアルベガで46.8℃を記録しました。

熱波におそわれた欧州では、フランスが原子炉4基の運転を停止しました。原子炉は川の水を冷却水として使っているのですが、それで川の水温が上昇して気温がさらに高くなるのを防ぐための措置です。

熱波が押し寄せた欧州

1977年にギリシャのアテネで記録した欧州の過去最高気温48℃には及ばないものの、各地で熱中症による死者が出るなど、猛暑による被害が続出。欧州一帯では以下のようなことが起こっています。

・イギリス=ロンドンで扇風機やエアコンが飛ぶように売れた

・ドイツ=ハノーバーでは滑走路が変形して飛行機が遅延した

・オーストリア=ダッハシュタインの氷河が「肉眼でも確認できてしまう」ほどの速度で溶け出した

・オランダ=高温で熱せられた高速道路のアスファルトが溶けたことで、一部が閉鎖

・ギリシャ=氷山が崩落して津波が発生

熱波は少雨や乾燥を招く

欧州の熱波は少雨・乾燥をもたらすために次のようなことも起こっています。

・スイス=多くの牛が水不足によって死んでいる

・スウェーデン=山火事が50ヵ所以上で発生

・スペイン、ポルトガル=40℃を超す観測点が続出し、各地で山火事が発生

・オランダ=海水面上昇よりも干ばつによって堤防にダメージを与えた

かつては数十年に一度起こっていたような猛烈な気温の上昇が、いまや数年に1度の頻度になっています。特に7月は、北半球の中緯度帯と呼ばれるエリアで発生していた高気圧が平年よりも強くなりました。そのため、北から冷たい空気が流れ込みにくく、晴天も続きやすくなったことで気温が上がってしまったとみられています。

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第5次報告書(2013年)は人為的な地球温暖化の影響を強く示唆しています。