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日光に当たると皮膚が荒れる“光線過敏症”

2018/08/10 11:33 ウェザーニュース

これまでは大丈夫だったのに、日光に当たると肌が荒れることがあります。いわゆる光線過敏症です。日焼けと勘違いして放置すると悪化しかねません。武里外科脳神経外科(埼玉県春日部市)の皮膚科医師、遠藤光子先生に光線過敏症の特徴と対策を伺いました。

そもそも光線過敏症って?

光線過敏症とはその名の通り、日光に当たったことで皮膚が過敏に反応し、炎症ができる皮膚炎の総称です。薬剤や食べ物などによる外因性のものと、遺伝疾患や代謝疾患など内因性のものに大きく分かれています。原因によって様々な病名がつけられ、それぞれ現れやすい年齢があります。

誰でも起こり得る外因性の光線過敏症

光感作物質(光エネルギーで活性化される物質)が日光を吸収すると日焼けしやすくなったり、湿疹や水ぶくれができたりします。

「皮膚に接触するものとしては湿布や化粧品、洗濯で使われる蛍光漂白剤などが考えられます。特に湿布は剥がした後も皮膚に残りやすく、湿布を貼らなくなっても4週間程度は日光を当てないようにしましょう。また香水などにふくまれるベルガモット油は色素沈着がひどいので注意が必要です」(遠藤先生)
体内から皮膚に移動するものとして、柑橘類(かんきつるい)やセロリなどの野菜に含まれるソラレンや表のような各種薬剤があります。

一定量の物質と日光により,誰にでも起こり得ますが、日光や、原因物質を避ければ改善します。

体質に依存する内因性光線過敏症

「幼い頃に発症する先天的なものや、代謝異常など様々な病気がありますが、今年は猛暑ですので、部活をしている子など若い人を中心に例年以上に患者が増えています」(遠藤先生)

以下、代表的なものを紹介します。

多形日光疹
光線過敏症ではもっとも多いのが多形日光疹で、10~30歳代の女性に多く起こり、日光を浴びたところに粟粒くらいの赤くて痒いブツブツができます。顔にできることは少ないですが、慢性化して、日光が弱くなる冬に薄れる傾向があります。

「紫外線により皮膚内にできたアレルゲンがアレルギー反応を起こしたもので、一般的に紫外線アレルギーと呼ばれるものです。半日ほど経ってから症状が出始め、2、3日で治り、耐性ができると自然に発症しなくなります」(遠藤先生)

日光蕁麻疹
こちらもアレルギー反応で、日光に当たるとすぐにその部分が蕁麻疹(じんましん)のように痒く赤くなり、ひどければアナフィラキシーショック(呼吸困難や嘔吐、血圧低下、失神などの重篤な全身症状)を起こすこともあります。日陰や屋内に入れば30分くらいで自然に消え、ヒスタミン剤で予防することができます。

慢性光線性皮膚炎
原因は不明ですが、中年以上の男性に好発し、治りにくい湿疹ができます。ゴワゴワした固い状態に変化し、大きく腫れ上がってしまうこともあります。軟膏を塗り、日光を避けることで対処します。

「こういった病気を防ぐには、日陰に入る、日焼け止めを塗るといった紫外線対策をすることが第一です。おかしいなと思ったら一度屋内に入るようにしましょう。その際、いつ肌荒れが発症したか、どのような薬を飲んでいたか、などをメモしておくと、後々病院で診てもらうときに役立ちます」(遠藤先生)

例年以上に紫外線が強い今年、肌が荒れるのは日光のせいかもしれません。

光線過敏症は特定の薬の使用が原因の一つです。湿布などの処方された薬の貸し借りはしないようにしましょう。また、異変があれば、早めにお医者さんにかかるようにしてください。

参考資料など

『あたらしい皮膚科学』(清水宏、中山書店)