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異例の進路を辿った台風12号 詳しいコースと要因を振り返る

2018/08/01 15:16 ウェザーニュース

画像:水蒸気画像(7/26 9:00)
2018年7月25日に発生した台風12号は、7月最後の週末(28〜29日)に本州の東側から接近、上陸し、西日本を西へ横断するという異例の経路をたどりました。そのため、隅田川花火大会が延期になるなど、週末イベントに大きな影響が出ました。(※)
詳しいコースやその要因を振り返っていきます。

東から西へ 紀伊半島の東側からの上陸は初

図1、台風の経路(経路上の丸の色:最大風速)
台風12号は7月25日3時に日本のはるか南海上で発生。本州付近には寒冷渦があり、台風はその寒冷渦の周りを反時計回りに進む異例のコースをたどりました。台風は28日の夜には東海沖を西に進み、29日1時頃に三重県伊勢市付近に強い勢力で上陸。(※)紀伊半島の東側から上陸は、1951年の統計開始以来初めてです。その後、紀伊半島を横断して未明に大阪市付近を通過し、中国地方を西へ進みました。29日17時半頃、福岡県豊前市に再上陸し、30日朝には東シナ海へ。
〔関連〕西へ進む異例の逆走 高気圧と寒冷渦で複雑化

九州の南でループする複雑な進路

図2、1日9時時点の台風進路図
ただ、その後もすぐに消滅することはなく、九州の南をループするように複雑な進路をとり、更に再発達すると見ています。
こうなる要因とのひとつとして考えられるのが四国沖に残る寒冷渦です。
台風が反時計回りの動きをする寒冷渦の周囲を回るように南下、弱まった寒冷渦と回転しながら一体化してループ。その後、寒冷渦が弱まっていくことで、北に張り出す高気圧の縁辺流の流れに乗り、西へ進んでいます。

〔関連〕台風12号、”迷走”か
九州で影響長期化の恐れも

複雑な進路をとった要因とは

図3、500hPa(高度約5,800m)の高度(黒線)、気温(シェード)、台風経路(白実線)、寒 冷渦の位置(黄点線)
台風が別の台風や寒冷渦に接近すると、「藤原の効果」と言われる2つの渦の相互作用が働き、両者は互いの周りを回るような動きをすることが知られています。今回も寒冷渦が台風の北側に存在し、そこに台風が接近したことで藤原の効果が働き、台風は寒冷渦の周りを反時計回りに回る経路をとったと考えられます。また、北日本付近に東西に伸びる500hPa高度の高い部分(気圧の尾根)も、台風の北上を妨げていたと推測されます(図3)。
〔関連〕台風と寒冷渦による「藤原の効果」

まだまだ台風の季節はこれからです。これで終わりと油断することなく、引き続きこまめに台風情報や天気予報などをご確認ください。