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薄着の極意! 透けるけれど透けないファッション

2018/08/11 13:39 ウェザーニュース

今週末にかけて、西日本、東日本を中心に猛暑が予想され、体温を大きく超える37~38℃くらいまで上がる所が出てきそうです。こうなると体温調節が困難になり、熱中症のリスクも大きくなってきます。

暑さが厳しいときどんな服装がおしゃれで体にやさしいのか、ファッション評論家の出石尚三さんに教えて頂きました。

オーガンジーを着る

透ける生地がお薦めです。その代表選手は、オーガンジーでしょうか。蝉の羽根のような生地で、ごく細い糸で平織にした織物。素材は綿,絹,化繊,合繊などがあります。他にもローン、ヴォイルなど透ける生地はいろいろあります。

女性の肌をよりいっそう美しく見せるために、こうした透ける生地は古代ギリシアの時代から用いられていました。女性は透ける生地を着ることで魅力が増すことは間違いありませんが、体感が涼しいとなると、いうことなしです。

ただし、生地が透けるため、下着まで見えることがあります。これでは、艶消しというものでしょう。

モアレ効果が生まれる名案

しかし、ここに名案があります。それは同じ生地を2枚重ねる(レイヤードルック)ことです。たとえば、ノー・スリーブ(袖なし)の、シンプルなブラウスがあったとしましょう。もしそれがオーガンジーなら完全に透けます。が、オーガンジーを2枚重ねると、あーら不思議、透けません。まるで魔法を見ているように。

これは一例ですが、透けるブラウスをMとSの2枚買うのです。下にSのブラウスを着て、上にMのブラウスを重ねると、透けることはありません。

しかも、同じ生地を重ねると、モアレ効果が生まれます。モアレ効果とは、生地の表情に「波目模様」や「木目模様」が生まれることです。見る角度によって、光の作用で微妙な模様があらわれるのです。

暑い夏の着こなしに透けるファッションは、女性ならではの魅力が醸し出されるアイテムです。ぜひチャレンジしてみてください。

文・出石尚三(ファッション評論家)