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台風12号、異例コースで関東方面へ 原因は”寒冷渦”

2018/07/26 16:39 ウェザーニュース

通常、台風は太平洋高気圧の縁に沿うコースで北上しますが、今回の台風12号は次第に高気圧の縁から離れながら変則的な進路で北西に進み、関東方面から日本海へ向かう予想です。この要因の一つに、上空の寒気「寒冷渦」の存在があります。

寒冷渦(かんれいうず)とは?

「寒冷低気圧」や「切離低気圧(せつりていきあつ)」と呼ばれ、上空高いところにある低気圧のことです。中心に寒気を持ち、地上では低気圧として解析されにくい低気圧なので、よく目にする天気図(地上天気図)にはあまり登場しません。
水蒸気画像(7/26 午前9:00)
今回の寒冷渦は元々北海道の東の海上にあったものが、夏の高気圧の周囲を回るように南下し、今日26日(木)は関東の南東沖にやってきました。この寒冷渦が台風12号の動きを複雑にする可能性があります。

台風と寒冷渦による「藤原の効果」

2つの台風による相互作用を示した図
寒冷渦と台風はどちらも”反時計回りの渦”です。2つの渦が近づくと「藤原の効果」と呼ばれる相互作用を起こし、複雑な動きをすることがあります。多くの場合は2つの台風同士で「藤原の効果」が起こりますが、寒冷渦でも同様です。

今回は上段真ん中の図で、左側の渦が寒冷渦になっているパターンです。台風は通常、太平洋高気圧の縁を北上しますが、今回は寒冷渦を回るように北西に進路を変える予想です。細かい進路については寒冷渦と台風が近づくタイミングや、台風の発達度合いにより変わってきますので、進路の変化に注意が必要です。
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