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【ゲリラ豪雨】8月中旬にかけ集中 大阪や福岡は200回以上の予想

ウェザーニューズ発表 ゲリラ豪雨傾向2018

2018/07/19 11:47 ウェザーニュース

そろそろ、突発的な激しい雨や雷雨『ゲリラ豪雨シーズン』に突入。今シーズン(7月〜9月)の発生傾向を発表します。

■ ゲリラ豪雨傾向のポイント ■

・西日本は昨年比2.4倍予想も
・8月中旬までにシーズン全体の7割発生
・高気圧の縁にあたる西日本で多い

発生回数は全国平均で昨年並
西日本は昨年比2.4倍予想も

2018年7月〜9月のゲリラ豪雨(◆注1)は、全国で3,852回発生する予想です。発生回数は全国平均で過去4年平均の9割、発生が少なかった2017年とほぼ同程度とみています。
西日本では、2017年比・過去4年平均比ともに増加する地域が多く、徳島県(98回)は、2017年比2.4倍、過去4年平均比2.7倍予想となっています。また、広島県では156回、福岡県や京阪神は200回以上発生する見通しです。被災したエリアでは、通常より少ない雨量でも浸水や土砂崩れなど災害に繋がるケースがあるため、最新の雨見解と自治体情報を随時ご確認ください。

その他の主な地域を見ると、愛知県は78回、東京都は144回、宮城県は15回程度となっています。発生回数が少ない場合でも、一回一回のゲリラ豪雨が被害をもたらす恐れがあるので、油断は禁物です。

8月中旬までに今季の7割発生
花火大会の開催ピークに集中か

■7月中旬〜8月上旬
今シーズンのゲリラ豪雨は“スタートダッシュ型”。湿った空気の影響を受けて、シーズン前半に集中して発生するとみています。7月中旬〜8月中旬だけで、全体の約7割が発生する予想です。この頃は、関東をはじめ各地で花火大会の開催ピーク。2017年は東京都内の花火大会がゲリラ豪雨により中止となった事例もあるので、今シーズンも天気の急変に注意が必要です。

■8月中旬〜9月上旬
しっかりと太平洋高気圧に覆われるため、東・北日本を中心に発生回数は比較的少なくなる見込みです。9月中旬には、台風や低気圧、前線の影響を受けやすくなります。また、朝晩を中心に秋の気配を感じられるようになり、シーズン後半になるにつれてゲリラ豪雨も終息に向かいます。

西日本で多い要因は「高気圧の位置」

今シーズンは、エルニーニョやラニーニャの発生はない見通しです。太平洋高気圧が平年よりもやや北に強く張り出す傾向にあるため、高気圧の縁にあたる西日本では湿った空気が流れ込みやすく、ゲリラ豪雨の発生回数が多くなる予想です。一方、高気圧に覆われやすい東日本や東北は、比較的ゲリラ豪雨が多発することはない見込みです。また、北海道は低気圧や前線の影響を受けやすいため、発生回数は少なくなるとみています。
◆注1  “ゲリラ豪雨”発生回数の求め方
“ゲリラ豪雨”をもたらす雨雲・雷雲は、予測可能な前線による雨雲とは異なり、“突発的”かつ“局地的” に発達するのが特徴です。また、限られた数しか設置されていないアメダス(全国約1,300か所)では、全ての降雨を正確に観測することは困難です。そこで当社では、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」の全国のユーザーから届く降雨報告(◆注2)において、“ザーザー” (5段階中の2番目)以上の強い雨が報告され、かつ、過去1時間に雨の報告が2割以下の場合を “ゲリラ豪雨”とし、10km四方ごとにカウントしています。

◆注2. 降雨報告について
スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」を通し、“ポツポツ”、“パラパラ”、“サー”、“ザーザー”、“ゴォーー”の5段階で報告されます。