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なぜ、「アイスクリーム頭痛」は起こるのか?

2018/07/21 13:49 ウェザーニュース

先週から日本列島の広範囲が夏の高気圧に覆われ、全国的に猛烈な暑さが続いています。しばらくは内陸部を中心に35℃を超える危険な暑さが続くと見られます。

暑い日は、氷菓子の出番です。なかでもかき氷、アイスクリームはやはり夏の定番といえるでしょう。しかし、かき氷やアイスクリームなどを勢いよく食べた際に、こめかみなどがキーンとして痛むことはありませんか。

医学的にも認められている「アイスクリーム頭痛」

こうした症状は「アイスクリーム頭痛(Icecream headache)」」として医学的にも認められているのですが、なぜ、かき氷やアイスクリームなどの氷菓子を急いで食べると頭が痛くなるのか、横浜新都市脳神経外科病院長の森本将史さんに伺いました。

「『アイスクリーム頭痛』のメカニズムは,まだはっきりとは解明されていませんが、次の2つの仮説が立てられています」

(1)冷たい物が喉を通過することにより、喉にある三叉神経が刺激され、この時に発生する伝達信号を脳が冷たさを痛みと勘違いし、頭痛が起きる。

(2)冷たい物を食べると急に喉が冷えてしまうため、一時的に血流量を増やして温めようとして、頭につながる血管が膨張することから、頭痛が起きる。

「不快な『キーン』の原因となる反応は、身体が異変に対して防御しているからです。人間の精緻な仕組みがなせることでもあるのです」

アイスクリーム頭痛を防ぐには?

では、「アイスクリーム頭痛」にならない方法はあるのでしょうか?

「この点については、急激に冷たい刺激を口腔内に与えなければいいので、少しずつゆっくり食べる、つまり、時間をかけて、氷をじっくり味わい、冷たさを和らげてから(少し温度を上げてから)飲みこむことが予防策になると思います。勢いよくガツガツと食べなければだいたいは防げるはずです」

かき氷の場合、天然氷で作られたものは、粒が滑らかで空気などが含まれており、一度に食べられる量も少なくなるなどの理由から特有のキーンがないといわれています。また、一説によると、足湯につかったままアイスクリームを食べれば頭痛は起こらないといいます。

とはいっても、かき氷やアイスクリームを食べる時の「キーン」は、夏のお約束としてなくなることはないんでしょうね。